サッカー選手は監督交代やそれに伴うチームのプレースタイル変更により、自身の衰えとは関係なくポジションを失う場合がある。マンチェスター・シティから、トリノに期限付き移籍で出たイングランド代表GKジョー・ハートもそんなひとりだ。
今シーズンから指揮官に就任したジョゼップ・グアルディオラ監督の信頼を得られず、8月31日にイタリアのトリノへ期限付き移籍することが発表された。代わってマンチェスターCには、バルセロナからクラウディオ・ブラーボが加入した。
出場機会を求めてトリノへ移籍したハートだが、その願いはイタリアの地で叶えられる。トリノの正GKとなったハートを、同クラブのOBで元イタリア代表GKクリスティアン・アッビアーティ氏は移籍の成功例と語った。
「私はトリノをよく知っている。彼はクラブにもファンにもスタジアムにも満足していると思う。トリノに加入することはハートにとって正しい決断だった。前のクラブのプランからは外れており、新しい経験をしたいと望んだ。イタリアでの新しい挑戦で全体的に良いプレーをしていると思う」
トリノの正GKとして多くの試合に出場するハートだが、来シーズン以降もイタリアに留まり続けるかは選手本人の判断だとアッビアーティ氏は言う。
「どの選手にもそれぞれの目標がある。彼はレンタルでトリノに来ており、いまどう感じているのかは知らない。ポジティブな経験だと感じているならトリノに残るかもしれない」
ハートの代わりにマンチェスターCへ移籍したブラーボだが、グアルディオラ監督から評価されていたはずの足下のボール扱いでミスが目立ち、最近ではハートの控えGKだったウィルフレード・カバジェロに出場機会を奪われている。
この状況を見たハートがマンチェスターC復帰を希望するか、それともトリノでのプレーを続けるかはシーズン終了を待つ必要があるだろう。
《岩藤健》
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