【インタビュー】プロボクサー村田諒太、ミドル級世界チャンピオンを目指して(前編) | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【インタビュー】プロボクサー村田諒太、ミドル級世界チャンピオンを目指して(前編)

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【インタビュー】プロボクサー村田諒太、ミドル級世界チャンピオンを目指して(前編)
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  • 村田諒太対ジョージ・タドニッパ 参考画像(2016年7月23日)
  • ロンドン五輪ボクシングミドル級に出場した村田諒太 参考画像(2012年8月11日)
  • ロンドン五輪ボクシングミドル級で村田諒太が金メダルを獲得(2012年8月11日)
2012年ロンドン五輪のリング上で輝きを放ったボクサー、村田諒太(りょうた)選手。金メダル獲得後にプロ転向し、今年7月まで11戦全勝。日本人ボクサーの少ないミドル級を舞台に戦い、世界チャンピオン獲得を目指している。

来るべき次戦に備え、日々トレーニングを重ねる村田選手に話を聞いた。(聞き手はCYCLE編集部・五味渕秀行)

村田諒太選手(帝拳)

■2016年を振り返って

--- : 今年は1月に上海、5月に香港、7月にラスベガスと3戦行いました。一年を振り返ってみて、どんな一年でしたか?

村田諒太選手(以下、敬称略):まあ、いい年でしたね。ボクシング的にすごく成長した年かなと思いますし、ボクシングの内容もよかった。

--- : 一番印象に残っている試合は?

村田:やはり7月の最終試合ですね(※)。

※:ジョージ・タドニッパ(米国)と対戦し、1回KO勝ち。

--- : その7月の試合で何か今後につながるものは見つかりましたか?

村田:自信です。このスタイルでやっていこうという自信になっていますし、現地で観てくれた方にも評価していただいたので、そういった意味では次のステップに進む準備ができているのかなって感じがしますね。

7月のジョージ・タドニッパ戦 参考画像
(c) Getty Images

■トレーニングは進化してきた

--- : 普段のトレーニングで心がけていることは何ですか?

村田:ひとつはマンネリしないっていうことと、あとはいかに試合で使うようなことをするかってことですね。本当は同じことをする方がいいのかもしれないですけど。要するに、これがいいってわかっているのにわざわざ違うことする必要がないじゃないですか。

いい状態を変える必要はないのに、それでもやっちゃうんですけど、色々やっておいて損はないと思う。損するのかもしれないですけど、なんでも新しいこと、色々なことやっちゃいますね。

--- : ボクシングを始めた頃から考えると、トレーニングは進化してきている?

村田:そうですね。やっぱり始めた時って、教えてもらってそれを吸収するのがやっとじゃないですか。今もプロになって何戦かして『プロで自分はこういう戦い方ができる』っていうのができてきているので、その上でアレンジできてる段階だと思うので、そういった意味ではただ吸収するだけの段階を過ぎたのかなって感じですね。

--- : ボクシングは年間に数試合しかありません。トレーニングがほとんどの時間を占めると思いますが、今は何をモチベーションにトレーニングを続けているのですか?

村田:世界チャンピオンにまだなっていないので、まずはチャンピオンになりたいっていう気持ちですね。


--- : 冬場と夏場、季節によってトレーニングは変わりますか?

村田:ウォーミングアップの時間くらいです。冬の方が長くしますね、体が温まりにくいので。今はウォーミングアップはすごく時間をかけています。トレーニングの一環でもあるんですけど、1時間くらいはウォーミングアップに時間がかかる。

--- : 夏場はどれくらいの時間をかけますか?

村田:夏場も今(のように試合のない時期)だったら同じくらいかけるでしょうけど、試合期はそんなにできないです。1時間かけちゃうとそれで汗が出すぎて、スパーリングとか実戦練習に影響しちゃうので、そのあたりは考えなくちゃいけないですね。

--- : トレーニングは一日にどれくらいの時間しているのですか?

村田:3時間半ぐらいですね。日によりますけど、ウォーミングアップを1時間近くして、シャドーボクシング、グローブ着けてサンドバック、ミット。それくらいですね。

--- : 毎日同じように?

村田:そうですね、だいたい一緒ですけど、その中で変えていく感じです。うちのジム(でのトレーニング)だけじゃなくて、マンネリにならないように、大学に戻って大学生と一緒に練習したりとか、色々やっています。

--- : 母校の東洋大学にですか?

村田:そうです。月に2、3回は行ってます。けっこう最近からですけどね、実戦的なことが遠くなっちゃうので。日本人で重量級、中量級は少ないのでスパーリングパートナーも常にいるわけじゃない。大学に行くとけっこう多いので、大きい子が。


■オリンピックという夢

--- : そもそも村田選手がボクシングを始めたきっかけなんですか?

村田:中学校の先生に勧められてです。ちょっと悪さをしていたので…。先生曰く、『エネルギーを消費するところを作ってあげたかった』みたいですね。

--- : 本格的に始めたのは高校生ですか?

村田:中学3年ですね。

--- : 当時から将来はプロを目指す気持ちがありましたか?

村田:プロになって世界チャンピオンになるって中学3年の時に思っていましたけど、高校に入ってアマチュアで恩師(南京都高校ボクシング部監督の故・武元前川氏)に出会って。その恩師がオリンピックという夢を持っていたので、いつの間にかオリンピックという夢に変わっていました。

--- : それは何年生のときですか?

村田:高校3年生のときですね、初めてオリンピックを意識したのは。

--- : 実際オリンピックに出場されて、見事金メダルを獲得しました。

村田:当時は有頂天でしたね。テレビだの何だの、初めて有名になったわけですから。どんなスポーツ選手もそうだと思いますけど、有名になりたいという気持ちがあるので。それが初めて叶った時ってやっぱり有頂天で、ハメなんて外しまくってましたけど(笑)。

ロンドン五輪で金メダルを獲得 参考画像
(c) Getty Images

続く→【インタビュー】プロボクサー村田諒太、ミドル級世界チャンピオンを目指して(後編)


●村田諒太(むらた りょうた)
1986年1月12日生まれ、奈良市出身。帝拳プロモーション所属。2012年にロンドン五輪ボクシングミドル級で金メダルを獲得して脚光を浴びる。アマチュア時代の成績は137戦118勝89KO・RSC19敗。2013年8月にプロデビュー。以降、2016年7月のジョージ・タドニッパ戦まで11戦全勝(8KO)。

取材協力:ナイキジャパン
《五味渕秀行》

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