NHK Eテレの福祉番組ハートネットTVは、2016年9月7日より開催するリオパラリンピックを盛り上げていく番組『2016リオパラリンピック』を2016年1月より放送する。東京都内で記者発表会が行われた。
『2016リオパラリンピック』の司会は女優の広瀬アリスさん、ナレーションは俳優の三浦翔平さん。どちらも初挑戦だという。アナウンサーは山田賢治さんだ。記者発表会では3人に質疑応答が行われた。
---:初めての司会の経験を通して、得られたものはありましたか?
広瀬アリスさん(以下、敬称略):うまくいかなかったな、と自分でも反省しているところなんですが、「自分から発信すること」は私生活ですることがほとんどなく、何かを聞かれて答えることが多かったです。司会する立場を任せていただいて、この場を通して発信すること、自分から積極的に質問をしたりすることの大切さに気づきました。
山田賢治アナウンサー(以下、敬称略):今日、腕に障害がある選手の収録を行ったのですが、広瀬さんは「"腕がない"と表現していいのでしょうか?」と表現についても試行錯誤していました。ここから広瀬さんは番組を経験して、どういったらうまく伝わるのか、言葉を紡いでいく感覚を磨いていくのだと思います。我々としても広瀬さんを通して、(
視聴者の)パラリンピックへの見方を変えていきたいと思っています。
---:ナレーションをする上で気にかけたことはありますか?
三浦翔平さん(以下、敬称略):限られた尺の中で、限られた言葉で伝えなければいけない。平坦な調子で話していても伝わらない。なかなか難しいです。でも「感じたことをそのまま伝えればきっと伝わる」と思っているので、その気持ちを忘れずにナレーションに取り組んで行きたい。また「何を伝えたいのか」をはじめに決めてから、声のボリュームを調整したりすることが必要なのだと思います。
---:車いすスポーツを見て感じたことはありましたか?
広瀬:車いすバスケを見るために会場に入って、まずはじめに思ったのが「ゴールの高さが普段のバスケと同じ」ということでした。「ただでさえ高いゴールなのに、どうやってシュートを打つんだろう?」と思いました。車いすがひっくり返されるくらい激しく選手同士がぶつかっていましたし、実際に倒されている選手もいました。「なんて激しいスポーツなんだろう」と感じましたし、そのシーンが印象的でした。
三浦:普通にスポーツしている人たちは、突き指程度で痛がっているんじゃないよ、っていう感じですよね。「車椅子のぶつけ合い」で試合が進んでいくようなもので、「素晴らしい」という言葉に尽きるというか。感動しました。
---:東京パラリンピックに対しての思いは?
広瀬:東京オリンピックを期にもっともっと一般の人にパラリンピックを知っていってもらいたいと思いましたし、そのためにまずはリオパラリンピックを発信することに力を入れていきたいな、と感じています。
三浦:いかに僕らのような"若い世代に興味をもたせるか"ですよね。東京パラリンピックが盛り上がるためには、まずはこの番組が大事だと思うので、頑張りたいですね。
---:パラリンピックに触れる前のイメージは?
三浦:本当に一番最初は「なんですかそれ?」という感じでした。でも、いざ関わってみると、普通の人たちのレベルでもかなり上手な人でないと挑めないし、相当辛い中で、才能をもった人が特殊な環境で並大抵ではない努力をして、やっとプレーすることができる場所がパラリンピックなんだということに気づきました。
山田:ロンドンパラリンピックの前までは、「障碍のある人のスポーツ」だとか、「リハビリのためのスポーツ」というイメージがありました。
それ以降、実際に私はほとんどの競技を取材したのですが、例えばブラインドサッカー。「なんで全く目が見えない人たちがパスをまわせるんだ」と驚きました。スゴいじゃないですか。そこにいたるまでにどんな工夫や努力があるのか、というところを探っていくと「人間ってすごいな」というところに行き着き、徐々にハマっていったわけです。私の感覚がことごとく覆されて、今に至っているような気がします。
●『2016リオパラリンピック』放送予定 午後8時~8時29分
2016年1月5日:車いすバスケットボール 藤澤潔選手
2016年1月6日:競泳 山田拓郎選手
2016年2月16日:車いすラグビー 池透暢選手
2016年2月23日:射撃 瀬賀亜希子選手
《大日方航》
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