スパイバーとゴールドウインは、スポーツアパレル分野での事業提携契約を締結し、新世代高機能素材を用いた新製品の開発を進める。
両社は人工合成クモ糸素材QMONOSを使用したスポーツアパレル開発の皮切りとして、「MOON PARKA(ムーン・パーカ)」を発表。ムーン・パーカは、ゴールドウインが取り扱うザ・ノース・フェイスとの共同開発プロトタイプで、人工タンパク質素材を使用して実際のアパレル工業ラインで製造された世界初の衣服となる。
人工合成クモ糸素材は、経済産業省や新エネルギー・産業技術総合開発機構の支援を受けており、国家プロジェクトにも指名選定されているスパイバーが、世界で初めて開発に成功した。
新世代タンパク質素材の実用化に向けた共同研究開発プロジェクトは、2015年に始動。ザ・ノース・フェイスの「ANTARCTICA PARKA(アンタークティカ・パーカ)」をベースに、ムーン・パーカのプロトタイピングに成功。
現在、多くのスポーツアパレルは、石油を原料として製造された合成高分子材料(ポリエステルやナイロンなど)を使用している。これらの材料は、製造工程で膨大なエネルギーを消費し、膨大な温室効果ガスを排出している。
スパイバーとゴールドウインは共同開発を通じて、石油などの枯渇資源の消費や温室効果ガスの排出を可能な限り削減する。また、スパイバーは、2016年内の最終製品化を目指し、共同で研究開発を進めていく。
《美坂柚木》
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