車いすマラソン世界最速を狙う副島正純は、9月5日の講演会で競技用車いす・レーサーについて解説。「急ブレーキを必要とするシーンで意外と大変。前輪がすべってしまう」といった特徴を語った。
競技用専用車いす・レーサーは、両腕で後輪(2輪)をまわし、前輪(1輪)でハンドリング(操舵)する。ブレーキは前輪に自転車のそれに似たものが付く。この操舵の部分で、車いすレーサーは自転車とは決定的に違う動きをとる。
たとえば、折り返し地点。選手たちは後輪を回す手を一瞬離し、ハンドル操作に集中しなければならない。が、ハンドル操作ばかりに気をとられると後輪を回せないために失速してしまう。
「このコーナリングは車いすレースの見どころのひとつ」と副島。高速でコーナーに突っ込んで早く抜けようとしても、「急ブレーキが必要なとき、前輪が極めて軽いため、滑ってしまうことが多い。重心がリアにある車いすの動かし方の難しいところ」と話す。
講演会の会場ではレーサー試乗会も開催され、副島は来場者たちに競技用車いすの乗り方のコツを教えていた。
《大野雅人》
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