確かに球場においてはテンプレートのようなメニューではあるが、なぜ、この3つが名物グルメとして大々的にとりあげられているのか。球場の飲食部門担当者に話を聞いた。
まずは、「甲子園カレー」。甘口、中辛、辛口の3種類があり、550円で購入できる。普通のと何が違うのかという質問に対して、担当者は「一般のカレーと味に大きな違いはありませんが、スパイスで香りを強調しているところがポイントですね。なにより、『歴史がある』というところが一番のウリですね。1924年から販売されている超ベストセラーで、昭和初期には販売数が調理数に追いつかないこともあったようです」と推薦の理由を明かしてくれた。
続いて、「甲子園焼きそば」。担当者は「16種類の香辛料、リンゴやトマトの酸味が効いた尼崎発祥の『ワンダフルソース』で味付けをしています。樽で熟成させ、職人の手でかき混ぜられ作り上げられたソースは、ビールのおつまみやお子様のおやつなど、幅広くお召し上がっていただけると思います」と話した。
甲子園焼きそば pic.twitter.com/6gfheRmoSq
CYCLE編集部 オビナタ (@cyclecycle) 2015, 8月 7
甲子園焼きそばは編集部も昼に購入した。関西風味の味には疎いからか、独特の風味を感じた。特に、野菜や果物などをふんだんに混ぜ込んでいるというソースの甘辛さが絶妙で、非常に美味。
最後は、「ジャンボ焼き鳥」。担当者は、「ジャンボ焼き鳥は、自分の管轄ではないので詳細にはわかりませんが、甲子園カレー、甲子園焼きそばと同じように昭和から続く歴史ある商品です。甲子園につきもののビールとの相性は抜群だと思います」と話した。
甲子園を形作っているものは、高校球児が汗を流して戦い抜く試合内容だけではない。周りの環境があってはじめて試合が成り立つのだ。まさに“甲子園のスパイス”となるこれら伝統の食事たちも、甲子園を語るには欠かせない。