「就任1年目でも優勝するぞ！」指揮官の口から力強い言葉が聞かれた。
故郷・佐賀県で開かれた監督就任祝賀会に出席した広島の緒方孝市監督は、米国ロサンゼルスで自主トレ中の黒田博樹投手から、国際電話があったことを明かした。
話すのは2012年以来という2人だが、現在の練習メニューや合流時期、調整は黒田本人に一任することなどを確認し合った。
黒田はヤンキース投手陣の柱として堅実な投球を続け、5年連続二桁勝利をマークするなど39歳でも実力はメジャー級であることを示したばかり。オフにはヤンキースとの単年契約が満了し、ドジャースやパドレスも含めた複数の球団が「計算できる先発」として20億円程度のオファーを用意していた。
しかし黒田が2015年の所属先に選んだのは古巣・広島だった。
緒方監督は黒田と話した印象を「意気込みが伝わってきた。俺も就任1年目だが優勝するぞと声をかけた」と話し、24年ぶりの栄冠に向け互いに鼓舞し合ったようだ。
黒田復帰で優勝も現実味を帯びてきた広島「カープは優勝しておかしくない戦力はあると思う」「カープの監督で1年目から優勝の重圧と戦うなんて、最近無かったよな…でも、頑張ってほしい」と、ファンも初年度から期待する。
気になるのは開幕投手。例年であればチームの絶対的エース前田健太でほぼ決まりだろうが、今年は黒田の復帰で分からなくなった。緒方監督は前田を最有力候補としながら、黒田の可能性も示唆している。
ただし2015年に40歳となる黒田は開幕から仕上げすぎると、勝負所となる秋に失速する可能性もある。2013シーズンは前半戦好調ながら後半に調子を落とし、14シーズンは前年の教訓を活かし後半に向け徐々に上がるよう調整法を変えた。
「開幕投手選びにウキウキできる監督は幸せ者」「黒田とマエケンどっちが開幕任されても締まったシーズンが始められると思う」「黒田は断りそう」など、ファンも今から楽しみにしている。
キャンプやオープン戦の投球も見ながら決められるだろうが、どちらにしても開幕投手に相応しい実力と格を備えており、他球団からすれば贅沢な悩みだ。
《岩藤健》
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