具体的な条件や内容は公表されていないが、地元紙ボストン・グローブなど複数の米国メディアは、過去3シーズンで最も重要なリリーフ投手、2015年の年俸は200万ドルになるのではと報じている。
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田澤純一 参考画像(2014年9月18日)(c)Getty Images
田澤は中継ぎの柱としてワールドチャンピオンに貢献した昨年、年俸81万5000ドルから46万ドルアップの、127万5000ドルで契約していた。まだメジャー定着から2年目ということもあり、やや大人しめにも感じる上げ幅だった。
今年レッドソックスは昨年の歓喜から一転、地区最下位に終わった。チームは低迷を続けたが、田澤は与えられた役割をこなし、71試合に投げ4勝3敗16ホールドの成績。安定したプレーでチームに貢献することで。田澤の評価は確実に上がった。
田澤はNPBドラフト上位指名が確実と見られていた2008年、日本のプロ野球を経ず直接メジャーへ挑戦すること表明し、日米球界を巻き込む騒動に発展した。
以前からプロ野球を経ず渡米する日本人選手はいたが、田澤のようにドラフトで競合が確実視される選手のメジャー挑戦は初めての事態だった。
アメリカに渡った田澤は、実力で自分の居場所を作り上げた。このままいけば2016年にFA権を取得するのは確実で、さらなる大幅な年俸アップは間違いない。
田澤の契約延長には「田澤は必要な選手。もっと上げてもいいのでは?」といった声や、「もし日本のプロ野球から行ってれば、先発できて年俸ももっと上がったのでは?」などの意見がある。
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田澤純一 参考画像(2014年9月18日)(c)Getty Images
メジャーでも中継ぎ投手は先発ほど年俸が上がらない。確かに日本で実績を作り、満を持してアメリカへ渡ったほうが、生涯年俸は高かった可能性もある。ただ田澤が日本でのプロを選択していれば、未だ海外FA権は取得できず、球団がポスティングを認めたかも分からない。
海外FA権取得には最短でも9年間必要だ。社会人からプロ入りした田澤は30歳を超えている。
スポーツ選手として大事な20代の過ごし方。難しい決断だったが、田澤は見事にアメリカンドリームを掴もうとしている。