東海大四vs九州国際大付の一戦。5-0で東海大四が先行したところで6回裏、九州国際大付の攻撃。東海大四の西嶋亮太投手が投じた超スローボールが議論となった。
発端は、フジテレビ元アナウンサーの岩佐徹氏が8月14日、Twitterで公開したコメント。
東海大四のピッチャーのスローカーブ・・・
ダメとは言わないが、少なくとも、投球術とは
呼びたくない。意地でも。
こういうことやってると、世の中をなめた少年に
なって行きそうな気がするが。ハハハ。
以上のつぶやきがネットで炎上した。
結果、8月15日時点でつぶやきは削除。
8月18日、岩佐氏はこの経緯と自身の真意を、「ひたすら詫びるしかない」とのタイトルでブログに掲載した。
これに関しては、さまざまなところで意見が交わされている。
岩佐氏とダルビッシュ投手の直接のやり取りもTwitterで行なわれた。トップレベルの選手の見解はいかなるものだろうか。
以下はいずれもダルビッシュ投手のTwitter上でのつぶやきを抜粋したもの。
「スローボールかスローカーブかが投球術ではないという話があると聞きました。自分としては一番難しい球だと思ってます。」
スローボールかスロカーブかが投球術ではないという話があると聞きました。自分としては一番難しい球だと思ってます。言ってる人はピッチャーやったことないんだろうなと思います^^;
ダルビッシュ有(Yu Darvish) (@faridyu) 2014, 8月 16
「生きてきた時代によってものの見方、捉え方は変わるので難しいですね。彼もせっかくの晴れ舞台ですから”魅せる”思いもあったと思います。」
生きてきた時代によってものの見方、捉え方は変わるので難しいですね。彼もせっかくの晴れ舞台ですから”魅せる”思いもあったと思います。“@toruiwa: @faridyu 言ったのは私です。甲子園で高校生が投げました。ボールが画面の上に消えていきました。ハハハ。彼はそんな球を投げ
ダルビッシュ有(Yu Darvish) (@faridyu) 2014, 8月 17
物事には歴史がある。野球というスポーツにも長い歴史があり、先人の努力によって今の環境、土壌が作られた。
新しい世代は、時代にあった変革にチャレンジすることで次の時代を切り拓く。その繰り返しで歴史が紡ぎだされていく。
このご時世、TwitterやFacebookというサービスで、個人の意見が簡単に可視化される。こうしたサービスを活用するからには、使い方をわきまえる必要がある。自身の社会的な立ち位置などをふまえ、狙い通りに正確で適正なアウトプットをする能力が求められる。
一方で、よく言われるネットでの炎上というものは、すべてが否定的なものではないだろう。
今回においても、岩佐氏は速やかに自身のブログで詳細を説明、然るべき対応をとった。また、超スローボールの西嶋投手も、現代の高校生らしく、この注目を前向きな力にして試合に望むことになろう。
この出来事によって西嶋投手の超スローボール見たさに、野球ファンのみならず、新たなファン層が甲子園に注目する機会にもなったのではないだろうか。スポーツを楽しむ醍醐味のひとつは、自身の偏見を他人と交わしながら、議論を楽しむことにある。世代間にある意識の違いも議論の余地があり、互いに意見を尊重しながら世代間の理解を深めていくことになる。
そしてそんな議論の機会を与えてくれている高校生のはつらつとしたプレーを最後まで応援したいところだ。
この話題は野球界以外にも波及しており、例えばタレントで元アスリートの武井壮さんは
「プレー中笑顔になる事が相手へのディスリスペクトだなんてつまんねえ見識は必要ねえと思うんだけどな。。」などとコメントを残している。
スローボールの何が悪いのかわからん。。バントも似たようなもんだし隠し球とかもっとひどいのプロでもやるしなあ。。遠藤保仁のコロコロだって。。相撲の猫だましだって。。全部素晴らしいぜ。。プレー中笑顔になる事が相手へのディスリスペクトだなんてつまんねえ見識は必要ねえと思うんだけどな。。
武井壮 (@sosotakei) 2014, 8月 17
若い世代の柔軟性や発想を尊重し、先人がそれらをどう受けとめるか。
東海大四の西嶋投手は、世代間格差を可視化する波風を立てたという意味で、多いに価値のある一球を投じた。