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球団幹部や代理人らが一堂に集まるオフの一大行事、ウインターミーティング(米テネシー州ナッシュビル)が7日(日本時間8日)、閉幕した。
フリーエージェント(FA)となった大谷翔平投手の去就に関して大きな動きはなかったが、移籍先として本命視されているロサンゼルス・ドジャースが背番号17を付けている選手に対して、変更を打診したことが判明。米メディアは、ロサンゼルス・エンゼルスで大谷が背負っていた「17」を空ける意味を推察している。
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■球団が35歳ベテラン右腕に打診
米紙『USA TODAY』のボブ・ナイチンゲール記者は、ドジャースが大谷のために背番号17を用意したと報じた。大谷はエンゼルスで6年間、「17」を背負っていた。
昨季ドジャースの背番号17は救援右腕のジョー・ケリーが付けており、今オフFAになったものの、現地4日に1年800万ドル(約12億円)で再契約に合意。この時点で「17」が埋まったため、一部メディアからは「オオタニ獲得をあきらめたのでは?」という声もあがっていた。
しかし、同記者によるとドジャースは今週、そのケリー投手に電話をかけ「オオタニに背番号17を譲ることができるか」と打診。するとケリーは「オオタニと背番号を交換できるなら光栄に思う」と快諾したという。
35歳のケリーは通算450登板を誇るベテラン。ドジャースは実績ある投手に要請してまで背番号17を空けたことになり、ある球団のGMは取材に対して「ドジャースとしてはオオタニと契約できると本当に信じていない限り、選手に背番号の変更を求める理由はない」と断言した。
■大谷マニアもドジャース推し
大谷マニアとして知られ、米スポーツメディア『FOX SPORTS』でアナリストを務めるベン・バーランダー氏もドジャースをプッシュした。同氏は現地7日、「ドジャース? ブレーブス? ショウヘイ・オオタニとナ・リーグ球団との適合性をチェック」と題して記事を公開。「彼の勝ちたいという願望を確実に叶えてくれる2つのチーム」として両チームを分析した。
記事は、大谷がブレーブスに加入すればリーグMVPのロナルド・アクーニャjr.外野手や本塁打王マット・オルソン内野手らと組んだラインアップは史上最強になると認めつつも、財務面を懸念。チームは将来有望な若手と長期契約を結んでおり、今後チーム総年俸が上昇していくのは明らか。そのため、総額5億ドル(約750億円)とも言われる大谷獲得資金を捻出することは控えるだろうと指摘した。
一方で、ドジャースは長期契約を結ぶ選手が少なく、この先の資金面も心配ないと説明。エンゼルス時代と生活リズムを変える必要のない地域性や毎年ポストシーズンに到達している成績面などを考えれば、ドジャース入団によって大谷が被るデメリットはないと主張。「少なくとも机上ではドジャースほどオオタニに適した球団はない。彼が加入したいと思えば、近いうちに青いLAキャップをかぶることになるだろう」と記した。
現地ではトロント・ブルージェイズが急浮上しているようだが、ドジャースとしても勝算がないのに背番号変更を要請するだろうか。そして「勝てるチームでプレーしたい」という大谷の希望に沿えば、バーランダー氏の言うようにドジャースかブレーブス以上に安定して勝利が見込めるチームは見当たらない。
争奪戦の終結も間近とされており、ますます大谷陣営の動きに注目が集まっている。
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文●SPREAD編集部