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野球の世界一決定戦、「2023 WORLD BASEBALL CLASSIC」(WBC/ワールドベースボールクラシック)が3月8日に開幕する。6年ぶりの大舞台へ向け、“二刀流”大谷翔平を筆頭に、栗山英樹監督の下で「史上最強」との呼び声高い錚々たるメンバーが集結しそうだ。1月26日には正式メンバー30人が発表され、いよいよ世界舞台へ向けて盛り上がってきた。決戦を前に、改めて過去の大会の打撃成績を振り返り、今大会の打線と比較したい。
◆大谷翔平ら栗山ジャパン史上最強投手陣起用法を占う 過去4大会徹底比較<前編>
■第1回「ダブル・リードオフマン」チーム打率.311で初の世界一
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2006年第1回WBC日本代表メンバー<野手陣>
1次ラウンドを2勝1敗の2位で通過した後、2次リーグでも韓国に再び敗れ、アメリカには“世紀の誤審”で黒星。それでも準決勝で韓国を6対0で撃破すると、キューバとの決勝戦では;
1番遊撃・川﨑宗則2番二塁・西岡剛3番右翼・イチロー4番DH・松中信彦5番左翼・多村仁6番捕手・里崎智也7番一塁・小笠原道大8番三塁・今江敏晃9番中堅・青木宣親
というオーダーで得点を重ね、10対6で勝利した。
王貞治監督は「スモール・ベースボール」を提唱し、チームスローガンを「ストロング&スピーディー」と命名。特にイチロー、西岡の2人を「ダブル・リードオフマン」とし、松中は“繋ぎの4番”として機能。多村がチーム最多の3本塁打&9打点と活躍し、捕手の里崎が好リードを見せるとともに打率.409とバットでも貢献した。チーム打率は.311。川﨑が決勝で“神の手ホームイン”を披露するほか、8試合で13盗塁と機動力も存分に活かした打線だった。
■第2回、イチロー伝説の延長タイムリーで連覇達成
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2009年第2回WBC日本代表メンバー<野手陣>
前回大会同様に、1次ラウンド、2次ラウンドで韓国に2敗を喫したが、2次ラウンド最終戦で韓国を6対2で下してリベンジを果たして1位通過。準決勝でアメリカを9対4で下すと、大会4度目の対戦となった韓国との決勝戦のオーダーは;
1番右翼・イチロー2番遊撃・中島裕之3番中堅・青木宣親4番捕手・城島健司5番一塁・小笠原道大6番左翼・内川聖一7番DH・栗原健太8番二塁・岩村明憲9番三塁・片岡易之
延長10回にイチローの決勝打が飛び出し、5対3で勝利して大会連覇を果たした。
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2009年3月23日、ドジャー・スタジアムで行われた決勝戦 10回表に伝説の2点タイムリーを放つイチロー (C) Getty Images
選手個々に目を向けると、中島と青木の好調ぶりが目立ち、城島も存在感あり。小笠原、稲葉は勝負強さを発揮し、片岡が足のスペシャリストとして計4盗塁をマークした。その中で大会期間中、常に注目されていたのはイチローだった。決勝前まで打率.211と低迷して「想像以上の苦しみがあった」と振り返るが、決勝戦では延長勝ち越し打を含む4安打をマークして歓喜の輪の中心となった。
◆栗山ジャパン史上最強打線は大爆発の予感 過去4大会と徹底比較<後編>
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提供●Baseball Times