ミネソタ・ツインズからフリーエージェント（FA）となり、新チームを探していたカルロス・コレアが6年総額2億ドル（約264億円）で、ツインズと再契約で合意した。10日（日本時間11日）、米メディアが一斉に報じた。コレアは今オフのFA市場における大物選手のひとりだったが、メディカルチェックで2014年に手術した右脚に懸念が示され、一度は合意した各球団との契約は白紙に戻されていた。
米メディアは、結局使われなかった“コレア資金”が大谷翔平（ロサンゼルス・エンゼルス）獲得のために流用されると指摘した。
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■NY放送局「違いを生み出す打者」
メジャー屈指の遊撃手であるコレアは今オフ、ツインズからオプトアウト（契約破棄）の権利を行使してFAとなった。争奪戦の結果、まずはサンフランシスコ・ジャイアンツと13年総額3億5000万ドル（約462億円）で合意。しかし、入団会見が直前になってキャンセルされるなど契約交渉は白紙に。すると今度はニューヨーク・メッツと12年総額3億1500万ドル（約416億円）で合意という報道が出た。
ところが、こちらも正式契約には至らず。ご破算となった理由はいずれも同じで、メディカルチェックにおいて古傷の異常が指摘されたため。これを各球団は懸念し、正式なサインを見送った。
コレアの古巣復帰により、結果的にジャイアンツとメッツは獲得資金が浮いた。このため、米メディアは早くもこのお金の使い道を予測。ニューヨークの放送局『SNY』は10日（同11日）、「カルロス・コレアを手放したメッツはトレード期限まで全力投球が必要」という見出しを掲げ、記事を公開。今夏のトレード市場閉幕まで補強にまい進するよう球団に訴えた。
同記事は「例えトッププロスペクトを手放すことになっても違いを生み出す打者の獲得を」と覚悟を求めた上で、メッツの主軸ピート・アロンソやフランシスコ・リンドーア、ジェフ・マクニールらと組み、チームを頂点に押し上げることができる選手として大谷を指名した。
また、ナ・リーグ幹部の「（大谷争奪戦は）事実上、ロサンゼルス・ドジャースとメッツの一騎打ち。ただ、ドジャースがコーエン・オーナーを出し抜けるか分からない」というコメントも掲載し、メッツの金満オーナーの資金力がモノをいう可能性を指摘した。
■金満オーナーの興味は大谷やソトへ
米スポーツサイト『The Sporting News』も同日、メッツの補強策に言及。「カルロス・コレアがメッツから外れた今、スティーブ・コーエンオーナーはショウヘイ・オオタニやフアン・ソトに照準を合わせるのだろうか」と今後の動きに注目した。
記事は「エンゼルスはオオタニを市場に出させないために全力を尽くすだろうが、それはうまくいかない。彼はFAとなり、オオタニに興味を持つチームのリストは、オオタニが興味を持っているチームのリストよりも長くなるだろう」とし、多くのチームが争奪戦に参加すると予想。
さらに「オオタニはおそらく本拠地となる都市の大きさやチームが持つ勝利する能力、継続的な力など球団選びの基準について具体的に考えているはずだ」というコロラド・ロッキーズのダン・オダウド元GMのコメントを掲載し、大谷の心情を推察した。その上で同氏は「ハイレベルな選手が揃い、財政的にも余裕ある組織は少ない。それは明らかだ」と指摘し、メッツを条件に当てはまる球団のひとつとした。
コレアに用意した総額3億1500万ドルを大きく超えて、スティーブ・コーエン・オーナーが大谷獲得に総額5億ドル（約665億円）を準備したとしても不思議ではないというのが現地での評判。札束攻勢ならメッツを凌駕するチームはなく、もし大谷が加わった場合、千賀滉大との共闘も楽しみになるが、果たしてどうなるか。
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文●SPREAD編集部
