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■マジックキャッスル
【中間調整】前走のヴィクトリアマイルでは中団からそつなく脚を伸ばし、勝ち馬グランアレグリアには突き放されたものの2着ランブリングアレーにクビ差の3着。持ち前の堅実さをしっかり発揮してみせた。その後、安田記念で続戦の可能性もあったが疲れを癒すことを優先に放牧に出される。このクイーンSで復帰するのは早い段階で決定しており、逆算して牧場でもある程度乗り込みが進んでいたようだ。帰厩後の初時計だった7月7日の美浦ウッド単走で、さっそく上々の行きっぷりを見せると以降は順調に時計を詰めていく。1週前にあたる21日の坂路追いは斜め前に別組の併せ馬を見る形だったが、これを問題にせず気持ちを乗せて回転数を上げるとあっさり抜き抜けた。
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【最終追い切り】22日に函館へ輸送。しばらくは運動程度で環境に慣らしてやり、28日の函館ウッド併せ馬が現地での初時計。外先導で同じレースに出走するドナアトラエンテを迎え入れる。直線半ばで相手の勢いが勝り前へ出られそうとなったが、そこでマジックキャッスルは気持ちのギアを上げしっかり抵抗。結局いい手応えのまま併入に持ち込んだ。
【見解】1週前の坂路追いも豪快な動きだったが、今週の併せ馬も函館入りして最初の時計とは思えない充実ぶり。直線で相手が迫ってくるまで若干だけフワりとしたが、相手の勢いを察知するとスッと反応できたあたりはさすがだった。小回り函館でも、持てる力を存分に発揮できそうな態勢。
総合評価「A」
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著者プロフィール
西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。