FC東京バレーボールチームに所属する柳町逸太(やなぎまち はやた)選手は、アスリートの顔の他にもう一つ“ゲーマー”の顔を持つ。実は無類のゲーム好きだ。
チーム公式サイトにある選手紹介ページ、柳町選手のFAQにこんなことが書かれている。
実は○○なんです|実はゲームが好きなんです。
1日のスケジュールを円グラフにしてもらった時も、オフの日は「ゲームが多いですね」と答えていた。柳町選手はサラリと話していたが、その瞬間だけ彼の目が一際輝いて見えたのは気のせいではあるまい。彼のゲーマーとしての顔も見てみたい。
そこで一歩踏み込んで、柳町選手の好きなゲームについて話を聞くことにした。
フリーの時間はゲームとアニメに費やす

撮影:Hideyuki Gomibuchi
――柳町選手、実はゲーム好きなんですよね。平日でもフリーの時間は結構プレイをしていますか?
柳町逸太選手(以下敬称略):平日はちょっとですね。フリーの時間の半分アニメ、半分ゲームみたいな。やらない日もありますしね。
――どんなゲームをしていますか?
柳町:最近は(2019年)11月発売の『ポケットモンスター ソード・シールド』をやるためにSwitchを買って、今は『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』をやっています。
もともとは『モンスターハンター』シリーズが好きで、『モンスターハンター ポータブル』からずっとやっています。今は(同シリーズの)『アイスボーン』をプレイしてます。
――ということはPS4とSwitchを持っているわけですね。他に所有しているハードはありますか?
柳町:PS Vitaとニンテンドー3DSはあります。高校の頃はXbox 360も持っていました。
――最初に遊んだハードは何でした?
柳町:ゲームボーイアドバンスでしたね。
チームメイトとオンラインゲームで遊ぶ

撮影:Hideyuki Gomibuchi
――ゲームをするようになったきっかけを教えてください。
柳町:5つ上の兄がものすごいゲーマーで(笑)、その影響もあって普通にやっていましたね。中学生の頃はPSPで一緒に『モンスターハンター』をしていましたね。
――今もオンラインで一緒にプレイしたりは……?
柳町:一切ないですね(笑)。
――チームメイトとはオンラインで遊んだりするんですか?
柳町:近江選手とならPS4でオンラインゲームをやったことはあります。『Anthem』というゲームです。
――FPSや格闘ゲームはやったりしますか?
柳町:FPSはほとんどないですね 。格闘ゲームは高校時代にアーケードの『鉄拳』をやったり。昔はゲームセンターにも行っていましたね。
――スポーツ選手はスポーツ系のゲームもするんでしょうか?
柳町:『ウイニングイレブン』はめちゃめちゃやりましたね。『プロ野球スピリッツ』もやっていました。
――メジャータイトルは抑えてますね。バレーボールのゲームってあるんですか?
柳町:ありますけどメジャーではないですね……。昔PS2に(ゲームが)あって友達の家でやりましたけど、全然面白くなかった(笑)。
――バレーボールはリアルでやってますものね(笑)。
小学生でPCゲームまでプレイしていたツワモノ

撮影:Hideyuki Gomibuchi
――最近はゲーム実況動画なども人気ですが、ゲーム関連の動画を見ることはありますか?
柳町:兄者弟者は見ますね。(きっかけは)自分は“声”から入りました。最初に観たのは『ファークライ5』でしたね。その動画を観て、めっちゃ面白そうと思って実際に買いました。ただ、あまりゲーム実況を見ちゃうと、欲しかったゲームの内容を知ってしまうから抑えてます。見ちゃうとそれで満足してしまう場合もありますから。実況というより、ゲームの紹介をする人の動画を見ることが多いかもしれませんね。
――スマホでもゲームはしますか?
柳町:結構やりますね。MMORPG(多人数型オンラインRPG)もやるし、パズルもやります。
――他のジャンルで気になるゲームはありますか? 兄者弟者ではFPSの動画も多いですが。
柳町:FPSは苦手なんですよね。FPSを最初にやったのは小学校の高学年の頃。パソコンのオンラインゲームでやってて、その頃は得意げにやっていたんです。でも今はパソコン(のマウスとキーボード)じゃないせいか、コントローラーでやるとできないんですよね……。
――その時のタイトルは何ですか?
柳町:『オペレーション7』って知ってます? もうなくなっちゃったんですけど。あとは『サドンアタック』『スペシャルフォース』あたりをやりました。
趣味の話になると多くの人が饒舌になる。柳町選手もゲームの話となると止まらない。次々にゲームタイトルを口にして語る姿に熱いものを感じた。
オンラインゲーム仲間の近江選手
インタビューも終わりに近づいた頃、柳町選手のチームメイトでオンラインゲーム仲間でもある近江芳樹(おおみ よしき)選手が顔を見せてくれた。

撮影:Hideyuki Gomibuchi
近江選手もゲーム好き。スーパーファミコンが好きで『ボンバーマン』や『がんばれゴエモン』などレトロゲームを好むそうだ。チームでのポジションはアウトサイドヒッター。背番号は6(この日は昨シーズンまでの背番号25のウエアで練習していた)。
二人にはゲームの他にもアニメ好きという共通項があるとのこと。そのため話題も多く、近江選手は「話ができるの楽しいじゃないですか」と笑う。「柳町選手はヒロインが可愛い系が好きで、自分は主人公めっちゃ強い系が好き」とアニメの好みまでも教えてくれた。
柳町選手は、「一緒にゲームをやってても、近江選手は寝るのが早いからすぐ終わっちゃう。22時に寝てる」と嘆くあたり二人の仲の良さがうかがえる。
また、面白かったアニメを教えあうこともあるそうだ。「この前は“すかすか”を教えてもらいました。『終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?』という悲しい系のアニメです」と近江選手。
柳町選手以外のチームメイトとも趣味でつながろうと、近江選手はマンガやアニメが大ヒットしている『鬼滅の刃』をチーム内でも広める活動をしているそうだ。
知らない人とでもつながることができる

撮影:Hideyuki Gomibuchi
――なぜ、ゲームが好きなんですか?
柳町:知らない人とでもつながることもできるし、そこは大きいかな。一人でやるよりも複数人でやる方が絶対に面白いです。近江選手と一緒にやる時はLINEで通話しながらとか。
――今後やってみたい、気になるタイトルはありますか?
柳町:Switchの『どうぶつの森』は絶対買いますね!
柳町選手はゲームを「暇な時間をつぶせるから」とも言う。たしかにそうだが、オンラインを使えば友人やネットの向こうにいる多くの人たちと世界を楽しむこともできる。
また競技とは離れた部分でコミュニケーションを図ることも、チームスポーツでは重要になってくるだろう。チームメイトとゲームをすれば、チームの団結力もより強固なものになるかもしれない。
最後に「普段バレーボール以外の話をすることの方が多いですか?」とたずねると、「バレーの話あまりしないよね」「五分五分っすね」と二人の笑い声が室内に響いた。
写真・文:Hideyuki Gomibuchi
※取材は2月下旬
選手プロフィール
柳町逸太(やなぎまち はやた):ツイッター
- 1996年6月17日生まれ、北海道岩見沢市出身
- 兄と姉がバレーボールをやっていた影響を受け、9歳で競技を始める
- マンガ、ゲームが好き。好きな果物はミカン