ウッドリーがUFCウェルター級王座防衛…終盤の猛攻で僅差の判定を制す | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

ウッドリーがUFCウェルター級王座防衛…終盤の猛攻で僅差の判定を制す

スポーツ 短信
タイロン・ウッドリーがUFCウェルター級王座防衛….
  • タイロン・ウッドリーがUFCウェルター級王座防衛….
格闘技イベント『UFC209』が3月4日に米国ネバダ州ラスベガスで行われた。メインイベントのUFCウェルター級タイトルマッチでは、王者のタイロン・ウッドリーが挑戦者のスティーブン・トンプソンを2-0の判定で退け防衛に成功している。

2016年11月の『UFC205』でも対戦している両者。そのときは引き分けでウッドリーがタイトルを防衛した。見る人間によって意見の分かれる接戦から4ヶ月、ダイレクトリマッチで雌雄を決する時が訪れた。

お互いの実力を肌で感じとった者同士、今回は慎重な立ち上がりを見せる。アメリカンカラテをベースにするトンプソンは、相手のパンチの間合いに踏み込むことを嫌いローは蹴らず、フェイントで隙を窺う。ウッドリーが前に出ようとすると、さっと距離を取った。

第2ラウンドも静かな攻防が続いた試合は、第3ラウンドにウッドリーがテイクダウンに成功して動く。背中越しにパウンドを放ってゆくウッドリーだが、ここはトンプソンが立ち上がることに成功。

第4ラウンドも基本的な流れは変わらない。半身の構えからプレッシャーをかけるトンプソンに、その周囲を回りながら飛び込むタイミングを窺うウッドリー。互いのパンチとキックが交錯する。

ここまでの4ラウンドを通じて両者とも決定的な攻撃がなく、判定になればオクタゴンの中心を取り続けたトンプソンがやや有利かという展開。ウッドリーがタイトルを防衛するには最終ラウンドでKOするか、ジャッジが明確に自分を支持する内容で終えなければならなくなった。

だが判定になれば自分に分があると分かっているトンプソンは距離を取り、カウンターを警戒するウッドリーも慎重になって思い切って入って行けない。場内からブーイングが聞こえる中で試合時間は1分を切った。ここでようやくウッドリーに勝機が訪れる。

残り40秒で右ストレートを当てるとトンプソンがダウン。すぐに立ち上がったがウッドリーも追撃。再びダウンを奪い背後から顔面へパンチ。トンプソンもタイトル奪取への執念で立ち上がり距離を取る。

主導権を握り続けたトンプソンと、第3ラウンドと第5ラウンドに有効打があったウッドリー。試合運びの巧さと実際に与えたダメージ。どちらをジャッジが取るか注目されたが、判定は2-0(ひとりはドロー)でウッドリーを支持した。

試合後のインタビューでウッドリーは、「スティーブンは上手く僕をケージに詰めた。距離を詰めさせてくれなかった」とコメント。トンプソンの試合運びに攻め手がなく、最終ラウンドは倒しに行くしかなかったと振り返った。

一方のトンプソンも「僕は最強の相手と戦った。タイロンはちゃんとした理由があって王者なんだ」と対戦相手を称えたが、ジャッジには「僕のほうが良い打撃を当てていたから勝ったと思っていた。だけど仕方ない。ジャッジに委ねてはいけないんだ」と不満もこぼした。

最後は劣勢を挽回しての劇的な防衛になったが、そこまでの展開はウッドリーが『チェスマッチ』と表現したように、腹の探り合いや読み合いがメインの地味な時間が長かった。

スカッとする決着を期待していたファンからは、「ふたりともロビー・ローラーにシバかれてこい」「もうリマッチは要りません」「僅差でトンプソンかと思ったけど唯一のダウン取ったのはウッドリーだし、ウッドリー勝利でもまあ納得できる。だけど再戦はノーサンキュー」「非常に疲れる試合だった。毀誉褒貶あるがマクレガーの試合は面白いんだなと再確認した」などの声が寄せられている。

#AndStill UFC welterweight champ @TWooodley! #UFC209

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《岩藤健》

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