スポーツの指導者を表彰する第3回ジャパンコーチズアワードが1月28日に開催され、東海大相模高校野球部の門馬敬治監督が登壇。野球部のエンブレムにある「BADDEST」という文字に触れた。
「私の心に大きな衝撃を与えた言葉。皆さんBADDESTになって、リスクを恐れずチャレンジを」と訴えた。
「この言葉が大好き。いまでは、このチームの指針となる言葉にもなっている」と門馬監督がいうこのワードに、どんな意味があるのか。
「BADDESTとは、BADの最上級。直訳すると『極悪』という意味を表すときがある。しかしBADの最上級はWORST。BADDESTは『すごく悪い』が転じて、『ものすごくカッコいい』という意味を持っている」
「その例えにヒーローがいる。アスリート、アーティスト、アクター、経営者、さまざまな分野に存在し、それぞれが強烈な個性を放っているが、彼らには共通する点がある。それは"リスクを恐れず挑戦する"という生き様。決して優等生でもなく、どことなく影がある」
●リスクを恐れず挑戦する人材を育てた上での指導者の使命
「ヒーローになれるか、なれないかの違いはただひとつ。リスクを恐れず挑戦し続けることができるかどうか。あきらめない者だけが、夢をかなえられることができ、BADDESTやヒーローになれる」
「子どもたちに夢を語らせる場を与えてあげるのが私たち指導者の使命と考える。では、指導者はどうあるべきか。人間には必ず優れた才能があり、人よりも劣るところがあるのが普通。だからこそ、自らと向き合い、自分を知る必要がある」
「現代社会が求めている人材とは、自ら見て、自ら考え、自ら動くという自立型人間であると考える。しかし現実は、保護者、指導者、教師などによって作られた"指示待ち族"という人間たち。これは日本の風土・文化、歴史、教育などがかかわっていると思う」
こう説いた門馬監督は、日本が乗り越えるハードル、課題についてもこう語った。
「島国、鎖国、農耕民族、戦後の経済成長の根幹にある統一規格商品の大量生産、生徒はみな同じであるという考え方、画一的な教育…。そういったものが大きな要因であると思っている。こうした指示待ち族を作っているのは大人たち。そのことに気づかず、子どもにベクトルを向けているのが大きな問題だ」
《大野雅人》
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