パリーグのホームラン王争いは終盤にきて劇的な展開を迎えた。
10月2日の時点でホームランランキング単独トップは西武のメヒア。シーズン途中5月からの出場でありながら、驚異的なペースで量産し34本を打っている。
1本差の2位につけていたのは同じく西武の中村剛也。こちらも今シーズンは怪我で出遅れたが、気づけば4月、5月とトップ独走していたペーニャを抜き33本。
しかし中村は右太もも裏痛により9月27日から出場もままならない状態に置かれていた。こうなるとメヒアが有利かと思われたが、ドラマは今シーズン最終戦で起こった。
3日に行われたコボスタ宮城での楽天戦。中村は1対4と3点ビハインドで迎えたノーアウト1塁、3塁のチャンスに代打で送られる。勝負は1球、ひと振りで決まった。初球の外より高めのストレート。打球はグングン伸び、右中間スタンドに飛び込む34号ホームラン。
唯一のチャンスを活かし最終戦で中村がメヒアに並んだ。
これで2人を3本差の31本で追うペーニャが残り2試合で逆転できなければ、同一チームから2人のホームラン王が同時に誕生する史上初の事態となる。
西武ファンもこの展開には興奮を隠しきれない。
「中村ホントにスゴいと思う!!やっぱり最強のホームラン王だよ!」
「やっぱり中村って本物のアーチストやわ、最終戦たった代打1打席のチャンスでよくホームラン打った」
「メヒアは中村見て驚いたろうな…あんなに軽く振ってホームラン量産する日本人を初めて見たんだろうし」
「昨日メヒアさんがお立ち台で中村さんに楽天戦でホームラン打ってもらいたい。って言ってたけどまさか本当に打つとは!」
試合は7対4で西武が楽天に勝利した。
《岩藤健》
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