【GARMIN VIRB J インプレ後編】用途は使う人次第、GoProにない独自機能 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【GARMIN VIRB J インプレ後編】用途は使う人次第、GoProにない独自機能

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アウトドアGPSやカーナビで有名なGARMINから、全く新しい新製品『VIRB J』『VIRB J Elite』が発売された。『GoPro』のヒットで一大マーケットが出現し、JVCやソニーなど日本メーカーもこぞって参入しているアクションカメラの注目モデルだ。そのスタイルや機能はまさにG
  • アウトドアGPSやカーナビで有名なGARMINから、全く新しい新製品『VIRB J』『VIRB J Elite』が発売された。『GoPro』のヒットで一大マーケットが出現し、JVCやソニーなど日本メーカーもこぞって参入しているアクションカメラの注目モデルだ。そのスタイルや機能はまさにG
アウトドアGPSやカーナビで有名なGARMINから、全く新しい新製品『VIRB J』『VIRB J Elite』が発売された。『GoPro』のヒットで一大マーケットが出現し、JVCやソニーなど日本メーカーもこぞって参入しているアクションカメラの注目モデルだ。そのスタイルや機能はまさにGARMIN流。ライバルの中でも異彩を放つ個性派モデルとなっている。

◆大きなRECボタンで使いやすく、クレードルもヘビーデューティ

今回は発売前ということもあってオプション無しの本体とその付属品のみで、基本的な使用感を確かめてみた。付属品というのはポータブルカーナビのクレードルのようなもので、ベースは両面テープで固定するようになっている。その接着面が平面のものと、凹レンズ状に湾曲した2種類が付属していて、凸レンズ状のものはヘルメットに貼り付けることを想定しているようだ。

そこでまず、自転車用のヘルメットに取り付けてみた。縦型である本機はGoProのように額に取り付けることはできないので、頭頂部か側面(耳の上)に取り付ける。今回は側面に取り付けることにした。取り付け自体は簡単にできたが、問題点が2つ。ひとつは、カーナビのようなクレードルがいかにも大げさで、気恥ずかしさを感じてしまうほど物々しいこと。もうひとつは、そのクレードルの角度調整がどうもうまくいかないことだ。各アームのジョイントにはノッチがあるのだが、ノッチ1つ分を動かすとかなり大きく角度が変わる。上下、左右方向はそれでもいいのだが、困ったのが水平の調整だ。これがどうしてもうまく調整できず、斜めの絵になってしまう。

こういったことはどの製品でも使う人の工夫が必要だろうから、問題にするほどではないのかもしれない。とにかく近所を走り回って撮影してみた。撮影を開始するには本体側面のRECボタンを前にスライドさせる。本機には様々な機能があるが、とにかくこのスイッチをスライドさせれば撮影が開始できるのは理解しやすく、非常に使いやすい。スイッチそのものの操作性も良好で、ヘルメットをかぶったままでも手探りで簡単に操作できる。

撮影を開始してすぐに、ヘルメット側面に取り付けたことを後悔した。その重さでヘルメットがずれてしまうのだ。ストラップをきつく調整してみたがダメで、撮影した動画は大きく傾いたものになってしまった。頭頂部に取り付けるか、あるいは自転車に取り付けることを考えたほうがよさそうだ。

本機そのものの操作性は前述のRECスイッチ以外も良好で、ディスプレイを搭載しているから撮影済み動画をすぐに確認できることも重宝した。このディスプレイは眩しいほどの青空の下でも驚くほど視認性が高く、外光を遮るフードなどは全く必要ない。豊富な機能を使いこなすことができたのも、このディスプレイのおかげといえる。


◆メンテナンス作業の記録にも挑戦、暗所への対応は完璧に近い

続いて、かねてからやってみたかった用途にも使ってみた。筆者は自転車やバイク、自動車をメンテナンスするのが趣味で、そのブログも公開しているが、写真を撮るのが非常に面倒。そこで、自分の頭にカメラを取り付けて動画を撮影してみたかったのだ。そこで本機を取り付けた自転車用ヘルメットをかぶって作業の様子を撮影してみた。これは大成功で、自転車と違って振動が無いため、ヘルメットがずれることもなかった。

動画なら作業内容をより分かりやすく公開できるし、写真を撮るにしてもiPhoneによるリモコン操作で撮影したり、動画から切り出したりできる。今までのように作業の手を止めてカメラを構える必要はないのだ。

なお、この撮影ではスマートフォンによるリモコン操作が大活躍した。専用アプリをインストールすることにより、フレーミングをスマートフォンで確認し、撮影を開始することができる。本機がいくらディスプレイ搭載だといっても、自分の頭に固定したらそのディスプレイが見えない。自転車で走る場合はそれでもとくに困らないが、手元での作業を撮影する場合はフレーミングが非常に難しく、スマートフォンによる調整と確認は必須だといえる。

撮影した映像はいずれも良好だった。明るい屋外での撮影結果がよかったのは当然だが、普通の屋内より暗いガレージでも全くざらつくことのないなめらかな映像だったのは大したものだ。やはり大口径のレンズが効いていると思われる。それと、今回の撮影ではバイクにも取り付けたのだが、簡易的な取り付けだったため走行中に脱落してしまうというアクシデントがあった。走行中のバイクからアスファルトに叩きつけられた本機はジャケットに傷がついたものの、本体はほぼ無傷で機能も全く異常がなかった。図らずも、その頑丈さを実証してしまったわけだ。


◆専用パソコンソフトでマップと映像を同時に…YouTubeへの投稿も簡単にできる

本機は紹介したとおり数多くの機能を搭載している。今回は基本的な機能しか試せなかったが、GPSによる位置情報の記録だけは紹介しておこう。設定で有効にしておけば撮影中の位置情報が自動的に保存されるのでアウトドアでの使用なら使わない理由がない、といえるほど便利。位置情報のデータは汎用性の高いgpxファイルで保存されるので、Google Earthにドロップするだけで走ったコースが表示される。

しかし、この機能の真骨頂は無料で配布されている専用のパソコンソフト「VIRB Edit」を使って初めて発揮されるというべきだろう。このソフトに「VIRB」が保存したデータファイルを読み込ませると、撮影した映像に現在地の地図、速度、標高をインポーズして表示できる。今回のように自転車での利用はもちろん、スキーでもジョギングでもカヌーでも、とにかく移動するスポーツならこの機能は非常に魅力的だ。GPSなら山の中でも海の上でも、正確な位置と速度を記録することができる。

また、データをインポーズした映像を動画ファイルとして出力することもできる。権利問題なのか、地図だけはインポーズしたまま出力できないのが残念だが、他のデータはその種類やデザインをかなり自由に選べる。さらに、その映像の必要な部分だけをカット編集したり、BGMをかぶせることも可能。要するにYouTubeに投稿するための動画を簡単に作成できるのだ。気がきいていることに、このソフトからYouTubeに直接アップロードもできるようになっている。もうしばらくしたら、VIRBで撮影した映像がYouTubeで大量に見られるようになるだろう。

《山田正昭》レスポンス
《編集部》
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