MTBのJシリーズ開幕戦で山本和弘が連覇を達成 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

MTBのJシリーズ開幕戦で山本和弘が連覇を達成

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 MTBの国際最高カテゴリーとなるJ1の開幕戦、MTB八幡浜インターナショナルクロスカントリーが4月24日に愛媛県八幡浜市で開催され、キャノンデールの山本和弘(28)が前年に続いて優勝した。以下は同選手によるレポート。
  •  MTBの国際最高カテゴリーとなるJ1の開幕戦、MTB八幡浜インターナショナルクロスカントリーが4月24日に愛媛県八幡浜市で開催され、キャノンデールの山本和弘(28)が前年に続いて優勝した。以下は同選手によるレポート。
 MTBの国際最高カテゴリーとなるJ1の開幕戦、MTB八幡浜インターナショナルクロスカントリーが4月24日に愛媛県八幡浜市で開催され、キャノンデールの山本和弘(28)が前年に続いて優勝した。以下は同選手によるレポート。

 海外遠征からの帰国後、時差からくる内臓の不調が続き、レース当日もよくない状態で朝を迎えた。2カ月以上海外にいて、自分の身体にとっては逆に「日本が外国になっている」のだと思う。それでも、気持ちはとても前向きで、「レースは、はじめから攻めていくこと」しか頭になかった。
 レースのスタート前はいい状態で集中することができた。何も聞こえない。自分のイメージだけを繰り返し、スタート時間を待った。スタートして、数選手が飛び出すが落ち着いて走ることができている。前半のシングルトラックは2番手で、周りの走りを確認しながら走ることができた。今日は勝たなければいけないのだ。
 そして、コース中盤の舗装に出る前で先行し、そのまま通称桜坂へ。ここは自分のペースで進んでいく。その後の簡易舗装はプッシュして少し抜け出す形となった。しかし、その後の根っこ区間で後続の選手が追いついて来るのが分かったので、合わせる形で合流した。
 2周目。消極的な自分が出てきたので、深呼吸をして気分を切り替えて走っていた。身体の調子がよくないからだ。走りながら「攻める走りだ」と何度もつぶやき、前だけを見て走り続けた。自分にはここまで10レース近く走っている自信があるからだ。
 3周目からは身体の動きがまとまってきて、なんの迷いもなくプッシュできるようになってきた。展開はパックを形成しながらのワクワクするもので、走っていて喜びを感じていた。後半少し先行を許すが、冷静に走りを進めることができた。
 4周目。もう後半か、と感じた。上りでは腰が落ち着き、無駄なくパワーをかけることができた。そして5周目。勝負は自分ともう一人の2人に絞られた。冷静に、そして自信を持って。簡易舗装の後半でペースを上げることを決めていたので、そこで力を入れてペダリングしていった。すると、後ろが離れイメージ通りの流れになった。そこからは、ラストスパート。
 6周目となるラストラップ。スタート/ゴール地点はペダルを踏み込み、後続を1秒でも離すことを意識して、その後の「シングルトラックはスムーズに!」と意識。後半の簡易舗装は全開で! 最後の根っこの多いシングルトラックはパンクしないように意識しながら、ゴールを目指した。最後は多くのレースファンとハイタッチをしながらゴールラインをくぐることができた。最大心拍189、平均心拍177。

 今回のレースは、勝つことを期待され、多くの方々の応援がうれしくも気持ちにはとても大きな負荷となっていた。そして、帰国後の内臓の不調。レース前はとてもナーバスな状態が続いていた。そんな中、信頼できるキャノンデールのスタッフが3人もサポートに来てくれて、気持ちをリラックスさせてくれたことが今回の勝利には大きくプラスに働いた。
 期待されて勝つ。こんなに気持ちのいいことはない。ヨーロッパの厳しいレースを戦う中で、自身のレベルアップを感じていたので、それを証明することができてよかった。自分よりもレベルの高いところに身を置くことで見えてくる新しい自分。その大切さをこの勝利で実感することができた。

 シーズンはまだ始まったばかり。27日にはまたフランスに飛び、少しのオフをとった後、スペイン、ポルトガル、ワールドカップイギリス、ワールドカップドイツのレースに参戦する。自分のレベルアップのため。そして、2012年のオリンピックのために。 今できることを全力で取り組んでいきたい。
《編集部》
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