山本幸平がMTB五輪金メダリストに善戦 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

山本幸平がMTB五輪金メダリストに善戦

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 3月29日にMTBのフランスカップ、「スバル・サンラファエル」が開催され、山本幸平がオリンピック金メダリストから6分30秒遅れの12位と健闘した。辻浦圭一はリタイア。以下は山本のレポート。

 フランスのシリーズ戦であるフランスカップの開幕戦へ行ってきた。UCIカテゴリー1ということで、各国から教護選手が参加していてレベルの高いレースとなった。僕自身、このフランスカップのレースを心待ちにしていたし、この場で結果を出したいと強く思ってオフシーズンを過ごしてきた。
 天候は前日の土曜日の午後から雨が降り出してレース当日は雨。路面もドロドロになり押して登るところが数カ所あり、いつも以上に集中力を必要とするレースとなった。

 コースは1周8.9kmを4周回。08年までとは違った感覚でスタート位置についている僕がいる。オリンピックを制した選手や世界選手権で上位に入っている選手を前にしても、特に動じることはなくなった。それよりも顔を覚えてもらえていて声までかけてもらえるようになっている。
 そして、MTBレースは自分自身とのレースだということを感じとれている点。08年までは、ライバルなどの走りや行動が気になっている部分があったが、正直それはレースに対して少しストレスを感じていたのだと思う。
 しかし今の僕はレースを追い込み、僕の力を出し切ってゴールすればいい。その中で一緒にレースをする相手がいるのだと言う気持ちに切り替わっている。実際にフランス人を見ているとライバルを意識している感じが全くないように感じている。
 レース前だって、皆が『やぁ元気? 調子どう? 今日も追い込もうぜ!!』的な感じで言いあってスタートを迎えている。この感覚が08年までの僕には理解ができなかったが、今はその感覚でいられている。
 そんなことを思いながらスタート位置にいた。

 スタート1分前。イメージは先頭に立って飛び出す!
 雨の中レースが始まった。スタートはうまくいき、位置取りは激しいが冷静に走っている。しかし、そこから前に行こうとすると、なかなかうまくいかない。少しでも踏み込みを甘くすると集団から遅れてしまうので、一踏み一踏みをしっかりとペダリングして走っていく。
 雨の影響で路面が荒れていてライン取りが難しい、しかし全開で行かないと先頭は行ってしまう。その微妙な線引き。そこのレベルを向上させなければいけない。集団となって走っているが先頭は見えない。しかし、追い込むことに変わりはないし、レースは4周。
 下りもテクニックを必要として、登りも押しが入ったりで集中が必要。ドロドロになりながらも楽しいし、最高に追い込みたいって思いながら走っていた。
 フランスに来て3年目。本当に知り合いも増えて応援もたくさんしてくれる。ありがたい。身体の調子はよくて、追い込めているし踏み込めている。順位は思っていたよりも悪いが、それはレース後に考えること。今は追い込む!!
 そう思いながら、走っていて気持ちは落ち着き気味になってしまった。3周目と4周目に若干失速している。高まっていた気持ちが少し冷静になってしまった。いけないいけない。でもそれを切り替えることはできずにフランスカップ開幕戦は終わった。

 今回のレース。今の僕にとってはいいレースだったと思う。しかし、もっとスタートから追い込み全開でトップについていく走りをしたい! 後半のことは考えないで、初めだけでもいいから先頭でレース展開をする! そこが今後の課題。
 今回のレースで鍛えた方がいいと思った部分は、首と握力と上半身と腰。あとはMTBの重たくて荒れた路面でも高いトルクで走れるようにダートでインターバルトレーニングをすることを強く感じた。
《編集部》
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