オランダのクラス1女子ロード、沖は涙のメカトラ | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

オランダのクラス1女子ロード、沖は涙のメカトラ

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 女子ロードレースのダムスロンデ・ファン・ドレンテが4月15日にオランダで開催され、イタリアのメニキーニに所属する沖美穂(33)が参戦。以下は同選手からのレポート。
  •  女子ロードレースのダムスロンデ・ファン・ドレンテが4月15日にオランダで開催され、イタリアのメニキーニに所属する沖美穂(33)が参戦。以下は同選手からのレポート。
 女子ロードレースのダムスロンデ・ファン・ドレンテが4月15日にオランダで開催され、イタリアのメニキーニに所属する沖美穂(33)が参戦。以下は同選手からのレポート。

 オランダ滞在最終日。8月を思わせるような温度28度。オランダではこんな暑さは滅多にない。しかも私の体調も良い。前日のワールドカップレースに続きこの日も距離が140kmあるクラス1のレース。そして石畳もある。ミーティングで監督が、「私たちはこれまでの2レースで2回とも表彰台に上がってよい結果を残している。今日は自分たちが主導権を握って動こう」とのこと。つまりアタックをして逃げようという指示だった。
 そしてスタート。やはり私の足は軽く調子が良い、石畳に突入するまでの40kmで、チームは何度かアタックをするがなかなか決まらない。レースはそのまま石畳へ。
 私は15番手くらいで石畳に入った。その前にチームメートのオリビアが5番手くらいで入った。そのオリビアが少し石畳を外れてしまった瞬間に中切れが起きてしまい、私は思い切って一気に何人か抜いて前に追いついた。
 そして荒れた路面に揺られること3kmほど、石畳を終えて後ろを向くと10人のエスケープが決まっていて、その後ろは見えない。監督が「よし! 美穂そこからさらにスピードを上げてギャップを広げろ!」と無線で指示が入り、ギヤチェンジをしようとシフトに触れると、動かない…。
 えっ! まさかと思った瞬間、リヤメカのケーブルの接続部分が切れてギヤに絡まった。もう動かないどころか転倒しそうになり、自転車を降りた。
 この接続部分、3月のイタリアのレースや練習中も含めてこれで3度目のトラブル。なんなんだこの自転車。これは私のせいではない!
 自転車を降りて代車を待つこと8分。この石畳の道は細くて、沢山の落車が起きていたのでチームカーが前に来れない。約140人くらいが私の前を通過して行くのを見送っているうちに、激怒というより涙がいっぱい出てきた。
 監督が諦めないで走るようにと声をかけ、代車に乗り換えて走り出したけれど、もう前は見えず、最終集団に追いつくのがやっと。涙は枯れ、今日はあきらめて練習に切り替え、100km走ってシャワーへ向かった。
 ゴール後、私は監督に「この自転車にはもう2度と乗らない」と告げると、監督も「すぐに新しいフレームを用意する」と言ってくれた。
 今回は不運に終わったが、忘れてはいけないことがある。2週間もレースを回避して練習に専念して、こうやってまた好調に戻ったことだ。この貸しは必ず自分で取り戻すぞという強い気持ちでオランダを後にした。
《編集部》
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