【THE REAL】ハリルジャパンの10番、香川真司が入り込んだ袋小路…クラブと代表で失われた輝き 5ページ目 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【THE REAL】ハリルジャパンの10番、香川真司が入り込んだ袋小路…クラブと代表で失われた輝き

オピニオン コラム
香川真司 参考画像(2016年10月1日)
  • 香川真司 参考画像(2016年10月1日)
  • 香川真司 参考画像(2016年9月23日)
  • 香川真司 参考画像(2016年9月6日)
  • 香川真司 参考画像(2016年9月1日)
  • 香川真司 参考画像(2016年8月22日)
  • 本田圭佑 参考画像(2016年9月25日)
■頼れるのは自分の力だけ

袋小路に入りかけているからだろうか。香川の口からは「証明」や「準備」に代表されるように、7分足らずの取材時間のなかで同じような言葉が何度も飛び出した。

自分自身を何とか奮い立たせ、前を向こうとする必死な想いが激しく脈打つ。それでも、例えば日本代表の9月シリーズに象徴されるように、気持ちと結果が反比例する悪循環にもどかしさを募らせているその胸中が、痛いほどに伝わってくる。

香川がマンチェスター・ユナイテッドに所属していた2013‐14シーズンの開幕直後に、デイビッド・モイーズ新監督の構想から外れたことが原因で、いま現在と同じように出場機会が激減したことがあった。

当時はザックジャパンがすでに出場を決めていたワールドカップ・ブラジル大会へ向けて、チーム力をアップさせている最中。出場機会を求めてヴォルフスブルクからニュルンベルクへ移籍したばかりのMF長谷部誠(現アイントラハト・フランクフルト)は、香川へこんなエールを送っている。

「ヴォルフスブルクとマンチェスター・ユナイテッドとでは、試合に出られないというレベルがちょっと違いますけど、彼(香川)はリーグ戦が始まってまだ3試合。これを切り拓いていくのは彼自身。自分の力で乗り越えていくでしょうね」

香川真司 (c) Getty Images

頼れるのは自分の力だけ。人事を尽くしながら出場機会という天命を待ち、そのときにベストのプレーで序列を逆転させるために心技体のコンディションをベストの状態で整えていくしかない。

「本当にいい準備をするだけなので。それしかいまの僕は言いません」

ドルトムントで通算5シーズン目。そして、日本代表の「10」番を託されてから6年目。再び繰り返された「準備」という二文字に、日本代表だけでなく所属クラブでも輝けなくなった香川の苦悩が凝縮されている。
《藤江直人》

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