【リオ2016】リオデジャネイロ五輪、地元からは子どもたちへの好影響を期待する声 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【リオ2016】リオデジャネイロ五輪、地元からは子どもたちへの好影響を期待する声

スポーツ 短信
リオデジャネイロ、コルコバード
  • リオデジャネイロ、コルコバード
  • リオデジャネイロを見下ろすコルコバードのキリスト像
開幕が目前に迫ったリオデジャネイロオリンピック。スポーツの祭典には地元で子どもと接する大人たちから、教育上の好ましい影響を期待する声があがっている。

ジカ熱や政治の混乱、会場建設の遅れといった問題とともに、今大会の開催を不安視させた要因に治安がある。2016年2月29日に在リオデジャネイロ日本国総領事館が公式サイト上に掲載した『安全の手引き』では、冒頭に「リオ市大都市圏には1000を超えるファヴェーラ(スラム街)があり、重火器で武装した麻薬密売組織間の抗争や、当局の治安対策活動に起因した銃撃戦がしばしば発生しており、流れ弾によって多くの市民が死傷しています」との説明がある。

ファヴェーラに住む子どもたちは幼いころから犯罪行為に近い場所で生活し、やがて自分たちもギャングの一員になることが多い。彼らを犯罪から遠ざけ、健全な成長を見守ろうと地元の警察は柔術教室を通じて子どもたちとの接点を増やすなどの取り組みを行っている。

地元で子どもたちに柔術を教えるエドゥアルド・マッセナは、「オリンピックが始まることでスポーツに注目が集まることが望まれる」と話した。

「ファヴェーラの学校では体育の授業は行われていない。子どもたちが柔道やレスリングのようなスポーツに触れられるようにして、それを生活の一部にしてほしいと思う」

地元の警察官タチアナ・リマもスポーツの教育的な側面に期待するひとりだ。

「スポーツは生活であり、レジャーであり、健康のためにも精神のためにもなる。若者を怠惰から遠ざけて何かを求めることを促せる。中にはプロ選手になる者もいるだろう。そういう子どもたちに機会を与えたいと思う」
《岩藤健》

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