【澤田裕のさいくるくるりん】自転車で、鉄道遺産を巡る…営業中の鉄道遺産 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【澤田裕のさいくるくるりん】自転車で、鉄道遺産を巡る…営業中の鉄道遺産

オピニオン コラム
1912年建造(1938年改修)の足尾駅の駅舎。駅構内は広く、国鉄時代の車両も留置されている
  • 1912年建造(1938年改修)の足尾駅の駅舎。駅構内は広く、国鉄時代の車両も留置されている
  • その足尾駅の端にある危険品庫。油類を保管していた
  • 石積みの土台に鉄製橋脚を載せた第一松木川橋梁
  • 足尾駅の先で対面したのは、窓ガラスのない車両を連結したトロッコわっしー号
  • 通洞駅の駅舎は山小屋風で、他の駅舎とは一線を画している
  • 第二渡良瀬川橋梁。銘板には「東京石川島造船所 明治四十四年製作」と記されている
  • みどり市と桐生市の市境に架かる深沢橋梁。緩くカーブしたレールが美しい
  • 車内から撮影した第一神梅トンネル。当日は小雨がパラついていたため、ワイパーが動いていた
前回に続いて今回は、営業中の路線にある鉄道遺産を巡るサイクリング。目指すのはわたらせ渓谷鐵道です。この路線は国鉄足尾線が1989年に第三セクターとなったとき、今の名称に変わりました。沿線には全国最多、38カ所もの鉄道遺産(国指定登録有形文化財)があります。

■サイクリングと車内から眺める鉄道遺産

まずは1両のみの車両に乗って終点まで。標高差523mを利用した、下り基調のサイクリングにしようとの魂胆です。車両前面から進行方向を見つめていると、やがて遺産の1つとなる三連のトンネルをくぐり抜けます(第一~第三神梅トンネル)。他の遺産はサイクリングの途中に改めて見ればいいのですが、沿線の道から近づくことができないトンネルは、車内から眺めるほかはありません。

席に戻ったところで、巡回に来た車掌さんに声を掛けます。乗車券は購入済みですが、この路線は今となっては珍しく、手回り品切符(280円)を必要とするからです。続いて上神梅駅。ここにある木造の小さな駅舎も遺産です。神戸駅では観光客が、こちらにカメラのレンズを向けています。僕が今乗っている車両(あかがねII)は遺産ではありませんが、レトロな雰囲気を漂わせた気動車がフォトジェニックだからでしょう。



石積みの土台に鉄製橋脚を載せた第一松木川橋梁


1時間半近くの鉄道旅を終え、路線に並行する県道を走り始めます。この道が国道に合流する手前に現れる第一松木川橋梁。1914年製のこの橋は橋脚に特徴があり、石積みの土台にイギリス製の鉄製橋脚を載せた特殊な造りとなっています。さらに進んだ足尾駅。この駅舎は1912年に建てられたもので、このほかプラットフォームや危険品庫、手小荷物保管庫も遺産です。ここから隣りの通洞駅までがかつての中心地。坑内を巡る足尾銅山観光や、かつて迎賓館として利用された古河掛水倶楽部が近くにあります。ちなみにこの通洞駅も…と言いましょうか、ここで紹介する鉄道関係の施設はすべて鉄道遺産です。

【自転車で、鉄道遺産を巡る 続く】
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