【アーカイブ】ジェイミス ヴェンチュラ、アクティブに走る入門モデルとして申し分ない 安井行生の徹底インプレ 2008年モデル | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【アーカイブ】ジェイミス ヴェンチュラ、アクティブに走る入門モデルとして申し分ない 安井行生の徹底インプレ 2008年モデル

オピニオン インプレ
【アーカイブ】ジェイミス ヴェンチュラ、アクティブに走る入門モデルとして申し分ない 安井行生の徹底インプレ 2008年モデル
  • 【アーカイブ】ジェイミス ヴェンチュラ、アクティブに走る入門モデルとして申し分ない 安井行生の徹底インプレ 2008年モデル
平地の踏み返しやハイスピード維持が得意 レース入門バイクとしても最適な基本性能を持つ







これで乗鞍岳を登れといわれたら、軽量・高剛性に慣らされてしまったカラダには刺激的とは決して言えずに躊躇してしまうが、サーキットレースを走れと言われれば僕は何の不満も言わずに走る。平地シッティングの踏み返しでは実によく反応してくれるし、高速の維持も得意だ。ハンドリングも自然でクセがない。ただし、集団の中で事故りたくないのでブレーキを交換することが条件だ。







ヴェンチュラにアッセンブルされたTEKTROのブレーキは効きが悪い。僕は試乗期間中、2回ほどコーナーにオーバースピードで進入しそうになったし、3回ほどタクシーのオカマを掘りそうになった (100kmほど走ったあたりでリムとシューの馴染みがとれ、多少マシにはなったが)。この値段でここまでよく走るロードバイクに仕上げたジェイミスのことを悪く言いたくないというのが正直な心情だが、未だにブレーキ本体でコストダウンをしようとする神経は疑わざるを得ない。







キャリパーを交換すればさらに上質な走りが可能 この価格帯での成功例と言えるレース系ロード







数年前まではリアディレイラーだけワンランク上のグレードを付けているバイクが多くあり、今でもちらほら見かけるが、あれは一体どこの誰が始めたことなのか。上のグレードにすべきパーツは、リアディレイラーなんかではなくブレーキキャリパーであると僕は思う。ブレーキに粗悪品をつけるということは、ユーザーをバカにしているのみならず、ユーザーの安全をないがしろにしているに等しい (今回のヴェンチュラのことだけを言っているのではない。念のため)。



乗り物の三大性能の一つである 「制動」 を、たった数千円のコストダウンのために、こんなに簡単に犠牲にしていいはずがない。加速が悪くても死にはしないが、止まらなければ死んでしまう。このヴェンチュラは本当にお勧めできるバイクだが、購入する人はせめてシマノ・105のブレーキも同時に買ってほしい。たった8000円ほどで、上質なブレーキフィールと、安全が手に入るのである。シートピラーにカーボンを巻いて喜んでいる場合ではない。







しかし。そんなことを差し引いても、アクティブに走るための入門モデルとしては申し分ないバイクである。レース系のロードバイクの中で、この価格帯としてはアタリの一台だと言える。 “Best Entry Level Road Bike” という評価にも、完全に同意したい。



この価格でここまで基本性能に優れるフレームを作れるジェイミスのことだ。このヴェンチュラのようによく走るフレームに、少し重いが耐久性に優れてよく転がるホイールをつけ、しっかりとしたパーツをインストールし、メインコンポはティアグラだがブレーキだけは105というアッセンブルをしたような、いつしか傑作車と呼ばれるようになる定番入門バイクを発売してくれることを、僕は密かに期待しているのだが。



《》

編集部おすすめの記事

page top