【LONDON STROLL】駆け抜けたツール、英国スポーツ観戦文化の歴史と熱 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【LONDON STROLL】駆け抜けたツール、英国スポーツ観戦文化の歴史と熱

オピニオン コラム
ツール・ド・フランス14 第3ステージ
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  • ツール・ド・フランス14 イギリス リーズ
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  • 2014 ツール・ド・フランス イギリスラウンド
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ブラジルワールドカップの真っ只中、新たな歴史のスタートでもある101回目のツール・ド・フランス14がイングランドで開幕した。

◆300万人以上が観戦

初日はホストとしてウィリアム王子キャサリン妃夫妻、そしてヘンリー王子が登場。ロイヤルファミリーも見守る華やかな雰囲気の中、号砲が鳴り、21日間のレースがスタートした。

前回ツール・ド・フランスの 「イングランドステージ」が行われたのは7年前。さらに、ここ2大会は連続で英国人が優勝している。2012年のロンドンオリンピックの大成功に加え、英国人の大活躍により、イングランドでの開幕はある意味必然だったのかもしれない。

イギリス人のツール・ド・フランス・イングランドステージへの期待はとてつもなく大きい。初日から300万人以上が観戦に駆けつける熱狂ぶりだ。

レースはイギリスのLeedsから始まり、途中の田舎町の沿道には人が溢れ、地域を上げての盛り上がりを見せた。レース3日目のステージ3では、平日月曜日にも関わらず、ロンドンの街中を駆け抜ける姿を一目見ようと、仕事そっちのけのビジネスマンの姿も多く見られた。

◆島国国家の日本と共通点も

沿道で様々な国旗や自国の言葉での声援が観られたのは、多様な人種が暮らすロンドンならでは。ゴール地点であるバッキンガム宮殿前には、途中雨が降ったのにも関わらず、多くの人がゴールの瞬間を見ようと待ち構えた。その盛り上がりは、通常のフランスステージに劣らず「大成功」だったのではないだろうか。

イギリス人は、どことなくクールな印象があるが、いざ何かの大会が始まると、しっかりと盛り上がりを楽しもうとする。公に騒ぎ盛り上がれる場所や理由を必要とした、少しシャイな性格は、同じ島国である日本人にも共通する心理なのではないだろうか。

何にでも興味を抱き世界を折檻した大英帝国のなごりが、様々なスポーツ観戦に夢中になれるイギリス人の気質なのかもしれない。 例えば、自分の好きなサッカーチームの話題になると顔を真っ赤にしついつい熱く語る姿、喜怒哀楽を全面に出しサポートしているチームを真剣に応援する姿などだ。

◆レベルの高いスポーツ観戦文化

サッカーに関わらず、熱い「テニス好き」や「ラグビー好き」、イギリスならではの「クリケット好き」など、多くのスポーツがイギリス人の日常に浸透しているのはイギリス人のスポーツ観戦文化が高い水準にある証拠ではないだろうか。

スポーツ好きなイギリス人。パブでビール片手にサッカーやテニスなどのスポーツに熱狂している彼らにとって、ツール・ド・フランスがイギリスで行われる事は喜ばしい事であり、自国に関するチームや選手を、自分たちの地で応援、観戦できる事は喜びなのだ。

毎年4月に開催されるロンドンマラソンのゴール地点でもお馴染みのバッキンガム宮殿前の「ザ・マル」。

イギリスを象徴する地をゴールにするというのも、ロイヤルファミリーも一緒に盛り上がろうという姿勢が感じられ、総合的にイギリスの一体感が生まれる秘訣なのかもしれない。
《Takaharu Osako》

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