【ウェアラブルテック14】印刷媒体の生き残り…メディアや広告の世界を変えるか | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【ウェアラブルテック14】印刷媒体の生き残り…メディアや広告の世界を変えるか

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ウェアラブルは、メディアや広告の世界も変えていくかもしれない。先ごろ開催された「Wearable Tech Expo in Tokyo 2014」の主催者は、朝日新聞社や博報堂だった。特に朝日新聞社はメディアとしては早くからVRやウェアラブル関連に注目。廃刊になってしまったが、同社の
  • ウェアラブルは、メディアや広告の世界も変えていくかもしれない。先ごろ開催された「Wearable Tech Expo in Tokyo 2014」の主催者は、朝日新聞社や博報堂だった。特に朝日新聞社はメディアとしては早くからVRやウェアラブル関連に注目。廃刊になってしまったが、同社の
ウェアラブルは、メディアや広告の世界も変えていくかもしれない。先ごろ開催された「Wearable Tech Expo in Tokyo 2014」の主催者は、朝日新聞社や博報堂だった。特に朝日新聞社はメディアとしては早くからVRやウェアラブル関連に注目。廃刊になってしまったが、同社の「ASAHIパソコン」でも、この種の話題がたびたび取り上げられていた。

同社では昨年6月に、技術系社員などで構成されるイノベーションセンター「メディアラボ」を立ち上げたところだ。いま新聞社や出版社などの旧来の印刷メディア業界はインターネットに押されている状況だ。デジタルコンテンツを発行したり、新しいテクノロジーを取り込むことで、生き残りを懸けた戦いに打って出ている。そんな最前線にいるのが、まさに朝日新聞社なのかもしれない。「今回の展示は、まだARの域を出ていませんが、平面的な新聞から、さらに奥にある情報に到達していける体験をしていただきたいと考えて企画したものです」と語るのは、東京本社の田森秀明氏だ。

このように朝日新聞社・メディアラボ内ブースでは、ウェアラブル・デバイス向けデモアプリケーション「朝日新聞AIR」を中心に、未来のメディアの姿を披露していた。たとえば、google glassで何か対象物を見るとメニューが現われ、それに関連する情報が映し出される。紙媒体を見るとスキャン機能が起動し、google glass上に紙面で紹介しきれなかったフォトギャラリーが目の前に広がったり、寿司のサンプルを見ると職人さんが寿司を握る動画などが流れ出す。

イベント内の講演でも、朝日新聞AIRに関するコンセプト映像が紹介されていた。ウェアラブル・デバイス越しに記事を見て情報を取得するだけでなく、空間自体から各種情報を引き出そうという「空間のメディア化」というアイデアもあった。いわば、かつてのセカイカメラ的な発想だ。こういったSF的なコンセプトも、google glassに代表されるウェアラブル・デバイスが身近なものになれば、近い未来に爆発的な普及が見込めるはずだ。

同社のブースでは、OculusVR社の没入型VRヘッドマントディスプレイ「Oculus Rift」のデモも行われていた。朝日新聞デジタルでは、アクションカメラ・GoProを組み合わせて、360度の全天周映像をワンショットで撮影。その映像コンテンツを利用し、没入感のあるOculus Riftで再生するというもの。幅広い視野角で映像が見えるのは、レンズに工夫が凝らされているからだ。デモでは「乃木坂46」の教育系コンテンツの打ち上げシーンを流していた。Oculus Riftは、もともとゲーム用に開発されたものだが、価格も3万円ぐらいと手ごろで、こういった各種メディア用ツールとしても活用できる。

一方、テレビ朝日のブースでは、普段見ることができない番組制作の舞台裏を披露していた。前述の朝日新聞社でも紹介されていた「Oculus Rift」を装着し、人気番組「お願い!ランキング」のバーチャルCGセット「お願い!秘密基地」に没入するデモを実施。さらに昨年末に幕張メッセで開催された「Mステ シンクロライブ」の会場内で、3000人の観客に配布したLEDリストバンドを展示。これはリストバンドのLEDと、ステージの照明、視聴者が持つスマートフォンの画面のカラーを同系色にシンクロさせるものだ。「ライブ会場とお茶の間が一体となれるようなトライアルだ」(同社担当)という。

また野村総合研究所(NRI)も、ウェアラブル・デバイスやセンサからのリアルタイム/ビッグデータの活用を考えている企業の1つだ。同社のブースでもGoogle GlassやiBeacon、地理空間情報などのデモを実施していた。たとえば、新橋の駅前で、ある時間帯に、ある方向に歩いていく人数と、男性・女性の比率、年齢(世代)などをgoogleglass上で表示できる。ただし利用されている映像はあらかじめ撮影されたもので、リアルタイム映像ではない。ドコモ・インサイトマーケティングの携帯情報を集計して、ビッグデータとして分析したそうだ。また新商品を見るとそれを認識して、ソーシャルメディアからの評判や売れ行きなどを表示できるデモも行われていた。

《井上猛雄》RBBTODAY
《編集部》

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