【ウェアラブルテック15】五輪ロゴ問題と大衆「ネットの暇人はプライド高い」堀江さん | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【ウェアラブルテック15】五輪ロゴ問題と大衆「ネットの暇人はプライド高い」堀江さん

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【ウェアラブルテック15】人工知能の進化「糸口は見つかっている」堀江貴文さん
  • 【ウェアラブルテック15】人工知能の進化「糸口は見つかっている」堀江貴文さん
ウェアラブルテックエキスポ2015の2日目。ソフトバンクでPepper開発に従事したのち、ソフトバンクを退職した林要さん、脳科学者の中野信子さん、堀江貴文さんらにより、人工知能に関するディスカッションが行われた。

クラウドの進化による知識の蓄積。コンピュータ上での膨大な失敗が可能にした、人工知能の正確性向上と、人口知能の自己認識の可能性。そこから、人間の社会との関わり方について各者の体感を交えて話しが進む。

林さんは、Pepper開発時を振り返り「Pepperに、話を聞いてほしいという女性の需要があったんです。Pepperが聞いている感を出すという。最適な返答はできないですが、聴くことだけならできる。それでいいんですね。そうすると、ロボットの究極は仏像とかではないかと思うことがあります。物語性が裏側にあれば話しかけたくなる」。

これに対して堀江さんは「いま思いついたのですが、例えば女の子とご飯を食べていると半分以上つまらない。そういう時ツイッターとかしているんですけど、その先にいる人たちって、それぞれが完全じゃない人なんですよね。でもたくさんの人がいる。それは集合意識のように見える」。

この意見に中野さんは科学者の知見から「歴史上、大衆が声を持つようになったのは昭和の前半。新聞により大衆が出てきました。いまはツイッターとかですよね」。

「人間は人間をいじめるようにできていて、これを超えることは非常に難しい。人工知能も人間が作るものですから、そこを超えるのは困難なのではないかと」。

堀江さんは素早く反応した。「自分の情けないところを出すことで、周りの人たちが自分に話しかけやすくなる。エヴァンゲリオンの『A.T.フィールド』って、要は自分のプライドなんですよ。プライド同士がぶつかっている。(エヴァンゲリオンの主人公)シンジは世界で一番プライドが高い人間だということでパイロットになった。いじめはプライドを満たす行為だから、プライドを下げれば、いじめたいという欲求がなくなる。佐野研二郎氏の五輪ロゴ問題も典型ですよ。あれは盗用ではないと思います。ロゴ以外の話、トートバックとかどうでもいいのに。でもネットの暇人は、そこがすごい大事なんですよ、プライドが高いから」。

人間が他者を蔑む行為は、本能的なものであるとは中野さん。「ただ乗りしている人を放置すると、集団は壊れますね。そのただ乗りしている人を排除する考えが進化上あった。ただ乗りしている人を排除することに快感があった。しかし、いまは集団で生きなくてもいい時代になっている。そうすると誰かをいじめることにより、快楽を感じる人は減ると思います」。

堀江さんは「もう集団で生きなくても大丈夫な社会になってますよね。そういう意味で小学校って不自然ですよね。12歳までの人生の半分を同級生と過ごすわけで。それは国民国家の考えですよね。いまそんなこと意識する必要ない」

「ただ言えることは、義務教育は受けなくていいと、そのあと集団で生きたいなら集団で生きればいい。アンコミュニティが快楽に感じる人たちもいるわけで、ひとりでもいいわけです。そういう人がいてもいい世の中の構築、義務教育や憲法、国民国家が前提の社会なので、みんなそのシステムのなかで仕方なく生きているというのが現状」。

中野さんは、イノベーションを起こす人材の育成を例に挙げ「eラーニングしていれば、週休7日でもいいわけです。底辺を合わせる教育をしているからイノベーションが起きないのではないでしょうか」とした。

林さんは「わかったのは、非合理性をベースにするとイノベーションが起きるということです。会社は合理性を求める。しかし非合理性の突破力がイノベーションになる。好きなことをやっているパワーは人間にしかない、それは人工知能と全然違います」。

非合理性に映る人間性に関して、中野さんも意見し「非合理性、面白いです。最たる例は広い意味での宗教。必ずしも自明のものではないのに、自明のものと受け入れますよね」。

堀江さんは「例えば、絶対成功しない、だけど成功した時にリターンってわからない。そうすると計算できない。こういうことに対して、人工知能はいけないかもしれないし、いけるかもしれない。リターンがわからないことをやっちゃう。生物はそういうことをずっとやってきて、どんどん最適化してきた」。

堀江さんの言葉を受けて中野さんは「最適戦略をとるか、好適戦略をとるか。好適というのは遊びを残しておくという戦略です」とし、戦略の方向性を示す。

人口知能に関する今回の議論に答えを設けることはなく、各人の中に方向性を見出す機会とした。
《編集部》

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