【山口和幸の茶輪記】鎌倉観光はアプリで楽しもう…「いざマイル鎌倉」で散策してきた | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【山口和幸の茶輪記】鎌倉観光はアプリで楽しもう…「いざマイル鎌倉」で散策してきた

オピニオン コラム
円覚寺(えんがくじ)の境内。拝観料はおとな300円、こども100円
  • 円覚寺(えんがくじ)の境内。拝観料はおとな300円、こども100円
  • この日は5カ所にチェックインし、マイレージを200ポイント貯めた
  • 累積マイルによって位(くらい)が上がっていく。下から侍、弁慶、義経、最上位が頼朝だ
  • 週末と祝日にはポイント3倍になるボーナスタイムが設定されている
  • ガーミンのアクティビティ管理サイトで歩数の伸びをチェック。今後はデータ共有などが実現されればもっと楽しくなると思う
  • 鎌倉は12月上旬まで紅葉が楽しめる。写真は11月中旬の円覚寺境内
  • 鎌倉は12月上旬まで紅葉が楽しめる。写真は11月中旬の円覚寺境内
  • 北鎌倉から10分ほど歩いたところにある葉祥明美術館もチェックポイント。入館しなくてもチェックインできるが、2階には個人宅のように落ち着いたスペースがあるので入ってみよう
神奈川県鎌倉市の観光スポットを歩いてまわるとマイレージポイントがたまり、健康と同時に花火大会や伝統行事の観覧席がゲットできる無料アプリ「いざマイル鎌倉」が11月14日にリリースされた。

鎌倉市観光協会が民間業者に委託・制作した無料アプリで、マイレージの「mile」と鎌倉時代の時代劇でよく使われるセリフ「参る」をかぶらせたネーミングだ。

■鎌倉の観光客を分散させる

スマホに内蔵された加速度センサーで歩数を計測するとともに、キャリア各社の電波アンテナ、いわゆる基地局三点測法から位置情報を取得する。あらかじめ設定された市内の神社仏閣に入場したり、駅・公園などの拠点に接近すると規定のマイレージポイントが与えられるという仕組み。

鎌倉は12月上旬まで紅葉が楽しめる。写真は11月中旬の円覚寺境内

鎌倉市はその歴史的背景や魅力に加え、都心からアクセスしやすいこともあって国内外から多くの観光客が集まる。その一方で特定の人気スポットばかりに観光客が集中してしまうという難題も抱える。地域全体の経済活性化のためには多くのエリアに観光客を分散させることが求められているのだ。

「歩くと得する」ことをうたったこのアプリは市内在住者もターゲットにしたものだ。人口減少や高齢化は鎌倉市をはじめ隣接する横須賀市、逗子市、三浦市、葉山町がかかえる問題で、地域の将来にわたっての成長力の確保を図るために立ち上げた「三浦半島魅力最大化プロジェクト」の一環としてこのアプリが開発された。

■さっそくアプリと一緒に鎌倉散策

お役所プロジェクトだけにPRはそれほど大々的ではなく、一般にその存在は認知されていないと感じる。市内在住のボクは11月15日付けの鎌倉市広報に掲載された10行程度の記事を見て、「ポケモンGOと同様に、これは試してみないと!」さっそくダウンロード。もともと里山歩きが好きなこともあって、当日からさっそく歩き回ってアプリを試してみた。

例えばJR横須賀線の北鎌倉駅で下車して、アプリを起動して歩いてみよう。画面上で「近くのスポット」をチェックすると「仏日庵」が数100mのところにあると表示される。仏日庵は円覚寺の中にあって拝観料が必要だ。

鎌倉中央公園もチェックポイント

このように場所によってはチェックインするのにお金がかかる場合がある。近隣の東慶寺や浄智寺も同様だ(たまに料金所手前でチェックインできたりする)。それとは別に江ノ電の各駅(改札外)や入場無料の公園などは料金なしでチェックインでき、タダでポイントをためることができる。付与されるポイントは有料のほうが高得点というのがせちがらい。

歩いた歩数によってもポイントがもらえると公式サイトには書かれているが、どうやらどこかのチェックポイントでチェックインした後に次のポイントまで歩いていかないとポイントは付与されないようだ。このあたりは奥の手が使えず、うまくプログラムできてるなあと感心した。

ポイントが3倍になるボーナスタイムというものもある。駅前のドラッグストアと同じような戦略に「ガクッ!」としてしまったが、週末と祝日の午前9時から正午まで、さらには午後3時から6時までにチェックインしたり歩いたりするとポイント3倍だ。

チェックポイントまでの道順をアプリが案内してくれ、到着すると自動チェックインする

鎌倉在住者向けの施策として、鎌倉市内のおすすめスポット情報を登録しておくと、そのスポットに観光客がチェックインするごとにマイレージが貯まるという仕掛けもあるようだが、現在のところ実装されていないようだ。

施行者である鎌倉市のねらいとしては、リピート観光客の定着、外国人観光客への観光案内情報の提供、歩く観光の促進による健康増進、鎌倉市内の観光過密スポットや観光客の回遊状況の把握が期待できるという。


■これからはポイント獲得で鎌倉へ?

アプリ利用者のメリットは目的地までの地図と残り距離が表示され、迷わずに行けること。消費カロリーや歩数も表示されるので歩いて回ることが楽しくなること。そして獲得ポイントに応じてクーポンがゲットできることだ。

100ポイントで豊島屋長谷大仏前店の「いざマイル鎌倉オリジナル手ぬぐい」。1万ポイントで「鎌倉花火大会観覧席招待券」。2万ポイントで「鎌倉薪能招待券」あるいは「鎌倉まつり流鏑馬招待券」。そして3万ポイントで装束に身を包んで射手とともに社務所から馬場に参列する「鎌倉流鏑馬神事諸役体験」など。

うわあ、豪華だ。カップルで花火大会に行こうと思ったり、薪能や流鏑馬が見たいと思った人は鎌倉に100回くらい行かないと。だってボクが半日観光地をめぐってもせいぜい200ポイントしか稼げないんだもの。

この日は5カ所にチェックインし、マイレージを200ポイント貯めた

現在アプリ取得から16日目。総歩数15万1300歩。総距離116.45km。獲得できたのは1566ポイントである。
《山口和幸》

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