【THE SPIKE】筒香嘉智、突きつめる野球道…日本を勝利に導く不動の4番へ | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【THE SPIKE】筒香嘉智、突きつめる野球道…日本を勝利に導く不動の4番へ

オピニオン コラム

筒香嘉智 参考画像(2015年11月21日)
  • 筒香嘉智 参考画像(2015年11月21日)
  • 筒香嘉智 参考画像(2015年11月19日)
  • 中田翔(左)と筒香嘉智(2015年11月21日)
  • 筒香嘉智 参考画像(2015年11月21日)
  • 松井秀喜 参考画像(2012年6月23日)
2016年もプロ野球の開幕が近づいてきた。3月25日に6年連続でセ・パ両リーグが同時開幕する。来年3月に第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の開催が予定されており、小久保裕紀監督率いる侍ジャパンのメンバー選考という観点からも注目のシーズンとなりそうだ。

昨秋に初開催された世界野球WBSCプレミア12では、実に悔しい敗北を喫した。また、2013年3月に開催された第3回WBCでは準決勝プエルトリコ戦で敗れ、3連覇の夢を阻まれた。侍ジャパンには「世界一奪還」が宿命づけられている。

■筒香嘉智にかかる期待

現在、侍ジャパンの4番は固定されていない。小久保監督は就任当初、中田翔内野手(日本ハム)を育成の意味合いも加味しつつ4番として起用し続けた。しかし、プレミア12では中村剛也内野手(西武)を起用。6度の本塁打王を獲得したアーチストの侍ジャパンへの招集は多くの野球ファンが待ち望んでいたことでもあり、4番中村への期待は高かった。

プレミア12開幕戦となった韓国戦では、その期待に応えるように2安打の活躍。まずますのスタートを切った。しかし、以降の試合で不振に陥ると、小久保監督は筒香嘉智(DeNA)を4番に抜擢。26打数10安打、打率.385の結果を残して打線を牽引。指揮官の期待に見事に応えた。


筒香嘉智(右)と中田翔

3月5日・6日に行われたチャイニーズ・タイペイとの強化試合では、2試合目で4番に起用された筒香。同点となる犠飛やトドメとなる2点本塁打を放つなど2安打3打点の活躍を見せた。同試合、5番で出場した中田は4三振に1併殺。あまりにも対照的な結果となった。

結果がすべて。侍ジャパンの4番争いは現時点で筒香に分があるのは一目瞭然であり、指揮官の信頼も勝ち取ったと思える。打撃の内容も良かった。9回に放った一発は、インコース低めを軽く振り抜き、弾丸ライナーで右翼席中段に運んだ。その打球の速さと放物線は、松井秀喜氏の現役時代を彷彿とさせるものだった。バッターボックスでの雰囲気もどことなく似通っている。

■松井秀喜が伝えた4番の心構え

筒香のバッティングは誰もが称賛する。筒香を4年間に渡って指導してきたDeNA元指揮官・中畑清氏は、「巨人のコーチ時代に松井秀喜を指導したが、すごく似ている」と語っている。同じ左の強打者として、広島で長年活躍した前田智徳氏にいたっては、「日本人バッターで、これだけ質のいい打球、ホームランを打てる打者は少ない。ひとりだけ音が違う。松井君を思い出す」と絶賛した。現に「ハマのゴジラ」とも称される筒香。球界の識者たちは、あの"松井以来の大物"として期待を寄せている。


筒香嘉智(右)と松井秀喜

当の松井氏も2015年のDeNAキャンプを視察した際に筒香を間近で見て、「僕と同じ年齢の頃を振り返ると、彼の方が上。柔らかいし、広角に打てる」と語っている。そう高く評価した上で、「どれだけ調子が悪い時でも下を向かないこと。一喜一憂しないこと」と4番としての心の在り方を説いたという。

メジャー選手にも見劣りしないどっしりとした体格、左の大砲、弾丸のような打球、バッターボックスでの存在感。そして、同じ4番打者として松井氏は、筒香の未来を自身の現役時代と重ね合わせて見ていたのではないだろうか。

■ひたむきな姿勢と追求心

小久保監督は、筒香の野球に対するひたむきな姿勢を高く評価している。筒香はプレミア12終了後に休む間もなく、ドミニカ共和国のウィンターリーグ「リーガ・デ・ベイスボル・プロフェシオナル・デ・ラ・レプブリカ・ドミニカーナ」に志願して参加。エスタディオ・キスケージャを本拠地とするレオネス・デル・エスコヒートに所属し、計10試合に出場。全試合で主軸を担い、34打数7安打の成績を残した。

ウィンターリーグには現役メジャーリーガーも多数参加しているためレベルも高い。また、日本とは全く異なる生活環境、言葉、さまざまな国の選手たちと過ごす経験を積むことが成長の糧になる。筒香はそこで3週間の武者修行を積んで帰国した。侍ジャパンで国際試合を経験して、海外の選手のプレーに大きな影響を受けたという筒香は、さらなる成長意欲に満ちあふれ、ストイックに野球を突き詰めている。

■ここ一番での勝負強さ

4番として最も求められるもの。ここ一番での勝負強さを筒香は兼ね備えているのではないだろうか。チームの主軸としてシーズンを通して活躍し始めたのが入団5年目の2014年。まだまだ未知数の部分はあるが、2014年には両リーグトップとなる.416の得点圏打率を残している。

4番に定着するなど全ての成績で大きく飛躍した2015年にも、得点圏打率は.344とリーグ3位の勝負強さを見せた。同年は打率.317、24本塁打、93打点。このまま順調にいけば、2004年の松中信彦(元ソフトバンク)以来の三冠王も射程圏内だろう。しかし、プレミア12準決勝の韓国戦では4打数無安打に終わり、「まだまだ足りない部分がある」と悔やむ。

張本勲氏は2010年にプロ入り間もない筒香の打撃を目の当たりにし、その潜在能力を「順調にいけば、松井秀喜以上になる。将来の日本の4番は彼」と高く評価していた。

ハマのゴジラから日本を背負う4番へ。筒香嘉智が日本野球の未来を切り開く。
《浜田哲男》

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