【疋田智のバイシクル物語】意外や、自転車の「春リスク」 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【疋田智のバイシクル物語】意外や、自転車の「春リスク」

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【疋田智のバイシクル物語】意外や、自転車の「春リスク」
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春であります。ようやくやってきた自転車の季節。息が凍って、指先がかじかむ季節ももう終わり、自転車にとって最高の季節がやってきた……とね。

そう思うでしょ。さよう、胸躍る春だ。でも、実は春って季節、自転車にとって案外走りにくかったりする。

理由の一つ目は風。春一番を含め、春は風が強い。しかも、連続して同方向にビュービュー吹いているという風じゃなく、突然、ビュウッと吹く風。しかも方向不定。これが横風だったりすると、おっと危ない、吹き飛ばされそうになった、なんてことがしょっちゅう起きる。お気をつけあれ。

次に雨であります。
俗に「女心と秋の空」なんていうわけだが、ホントは男心の方が変わりやすいだの、もっと変わりやすいのは春の空だの、結局どれが一番変わりやすいのかよく分からないんだが(この俗諺も、元来は「男心と……」だったそうな)、私ヒキタとしては「春の空」が一番変わりやすいと思うよ。次が女心。

秋に較べると春の方が不安定に思える。朝、ツーリングに出かけて、昼過ぎに雲行き怪しくなり、うわ、帰りは雨、なんて経験あるでしょ。それ、やはり春に多くないすか。春雨じゃ、濡れていこう、とは思うけど、やはり自転車道中、雨は降らないにこしたことはないよ。

だが、一番の春リスクは、何といっても「逆走自転車」だ。
春は間違いなく逆走自転車が増える。

理由は簡単で、春になると、冬の寒い間、冬眠していたトーシロー(失礼)が街に出てくるからだ。冬場に自転車に乗ってる連中は、これはもう気合いの入った自転車乗りばかりだから、ヘルメット、信号などはいざ知らず、左側通行だけは守る。

ところが、春になって「いい季節になったね、自転車に乗っていきたいね」との連中(の一部)にとっては、自転車なんて、歩行者に毛の生えたものに過ぎないから、右だっけ? 左だっけ? てなもので、前からやってくる自転車が多くなるのなんの。

私も出会うたびに「自転車は左でーす」なんて言いながらすれ違うんだが、到底間に合う数じゃない。

最大の春リスクは、逆走自転車。
この10年以上、毎年そうなのだ。ご同輩、ゆめゆめご油断めさるな。
《疋田智》

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