【山口和幸の茶輪記】近年の自転車界最強の発明はミヤタのチューブラーテープだと思う | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【山口和幸の茶輪記】近年の自転車界最強の発明はミヤタのチューブラーテープだと思う

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【山口和幸の茶輪記】近年の自転車界最強の発明はミヤタのチューブラーテープだと思う
  • 【山口和幸の茶輪記】近年の自転車界最強の発明はミヤタのチューブラーテープだと思う
  • 右がチューブラーテープ。左は過去に使っていたリムセメント
  • ビットリアのコルサCXはバルブ形状が変わったので新たに延長バルブを買い直す必要があった
  • これがチューブラー用のリム。クリンチャータイヤのようにタイヤサイドを引っかける部分がない。接着剤でタイヤを貼り付けるのだ
  • 古いチューブラータイヤを切ってみた。チューブを完全に包み込んだ状態で販売されているのだ
これまで多くのプロ選手や自転車関係者を取材してきて、自転車の中で一番オカネをかけるべきところはタイヤだと聞いてきた。路面をしっかりとグリップして、ときに高速のダウンヒルでは命を預ける部分でもあるからだ。ということで久しぶりにタイヤを交換した。

自転車のタイヤはパンクしなければいつまでもそのまま使えそうだが、ゴム製品なので摩耗するし劣化する。そのため一定期間あるいはある程度の距離を乗ったら新品に交換したほうがいい。できれば半年で交換すべきだとも言われるが、ボクはあまり乗らないのでタイヤ交換は2~3年ぶりだ。

ちなみにボクが使用するタイヤのタイプは「チューブラータイヤ」だ。20年ほど前は競技用と言ったらこのタイプがほとんどで、一般自転車でおなじみのクリンチャータイヤはかつてレースであまり使えなかった。チューブラータイヤの特徴は、チューブ全体をタイヤ本体でくるんでしまい、糸で縫い合わせて筒状にしてしまう。しなやかな走りが魅力だが、パンクするとチューブ交換はほぼ不可能なので使い捨てだ。

■チューブラータイヤとチューブラーテープを購入

まずは自転車店でチューブラータイヤを前後2本分購入。ボクのホイールはリムの高さが長いので延長バルブも購入。そしてリムにタイヤを貼り付ける接着剤としてミヤタのチューブラーテープを買った。しめて3万円。よく考えると安売りされているクルマのタイヤよりも高いかも知れない。



右がチューブラーテープ。左は過去に使っていたリムセメント


作業は暖かな日差しが降り注ぐ小春日和をねらって行った。なにが悲しくて冬の凍てつく寒空の元でタイヤ交換なんかしようものか!と思ったからだ。で、暖かくて気持ちよかったが、古タイヤをはがすのって重労働なんだよね。すぐに手が汚れる。カーボン製のリムをキズつけたくないからできればドライバーをねじ込んだりしたくない。前輪を外すだけで20分ほど。

そのあとはリムをきれいにする作業。指の指紋がなくなるんじゃないかと思ったほど、こびりついた古い接着剤をぬぐい取るのに手間取る。今度タイヤ交換するときは、多少オカネをはずんでも自転車ショップのプロにやってもらおうと心に誓ったほどだ。

■チューブラーテープをリムに貼る

次に気持ちよく乗るための下準備。延長バルブの差し込み口に水道用のシールテープを貼って空気漏れを防ぐ。さらに、走行中にリムとバルブが接触して音が出ないようにバルブにゴムをかぶせる。このあたりの細かい作業に集中するあまり、写真がない。



これがチューブラー用のリム。クリンチャータイヤのようにタイヤサイドを引っかける部分がない。接着剤でタイヤを貼り付けるのだ


で、最後に宮田工業と住友スリーエムが共同開発したチューブラーテープ(いわゆる両面テープね)をリムに貼る。それにタイヤを乗せて軽く空気を入れる。タイヤのセンターを出して、はみ出しておいた保護テープを引き抜けば終了。従来のリムセメントを使うのよりも10倍はラクで100倍はきれいに仕上がる。

ちなみに忌野清志郎さんもチューブラーテープの愛用者で、サイクリング中のパンクによるタイヤ交換に備えて、チューブラーテープをコンパクトに巻き直して携行していたのだという。クリンチャータイヤは最低限なら空気入れとパンク修理キットだけを携行すればいいが、チューブラー派は交換用タイヤや接着剤になるものが必要。装備が大ぶりにはなるが、そのしなやかな走りはなにものにも代えがたい。

いやあ、畳とチューブラータイヤは新しいものに限るね。この春の走りが快適になりそう。
《山口和幸》

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