【オーストラリアの風景】自然との共存を考えなければならない試練 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【オーストラリアの風景】自然との共存を考えなければならない試練

オピニオン コラム
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オーストラリアでは新年早々、火災発生のニュースが飛び込んできた。2014年の夏は比較的涼しい日の多かったオーストラリアが、2015年を迎えたとたんの猛暑となった。

毎年夏になるとオーストラリアでは、セ氏35度以上の猛暑が続く。そして必ず山火事を引き起こす。青空が一面に煙に包まれる。

◆オーストラリアの火災の原因

1. キャンプの調理中に(故意ではなく)人が場所を離席、または、タバコの火など人工的なことが原因
2.車のオイル漏れ
3.コアラの大好物であるユーカリの木に多くのユーカリオイルが含まれており、暑くなるとそれが自然発火
4.牧草地が多いために気温の上昇が自然発火を誘発
5.気温上昇とともに乾燥した熱風が吹き抜ける

◆人間のできる火災の対策

まず1と2は人工的に火災を作ってしまっているため注意することで火事を防ぐことができる。

しかし3以降は自然が原因。お国柄、自然の森や放牧地が多いことから、いったん上記の原因で火災が起こると短時間で広がっていく。

わかっているのであれば、国や自治体が対策を実施すれば良い、という考えはまっとうなもの。だが、対策が難しいのがオーストラリアの猛暑の火災。

筆者が以前住んでいたカナダでも猛暑になると火災が起こっていた。対策としてまず真っ先に考えるのが、木を切り倒す、放牧地を減らすなど火災の原因になっているものをなくすというものだった。

しかし、その木を切り倒す対策をしないのがオーストラリア。なぜなら、木を切り倒すことは自然の流れではないからだ。また木を切り倒すことでそこに住む動植物の生命を奪ってしまう。自然を多く持つ国は、なるべく自然を壊さず人間が共存できる方法を考える。

直接的な対策にはならないが、自然の多く残るところに人間が住居を持たないということが人間への被害を最低限減らせる対策なのかもしれない。

セ氏40度以上になった地域では、一晩のうちに自然火災が5か所以上発生した。数か所が燃えている状況で消火活動が継続、多くの消防隊やボランティアが活動の中、翌日も新たな山火事が起こっている。
《Photographer Asami SAKURA》

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