
卓球の「ノジマTリーグ 2025-2026シーズン」が9日、神奈川県のカルッツかわさきで行われ、木下アビエル神奈川が日本ペイントマレッツと対戦。マッチカウント3-2で勝利して今季11勝目を挙げた。
第1マッチのダブルス、第2マッチのシングルスで2点起用されたのが長﨑美柚。前日にTリーグで「60-60(シングルス60勝&ダブルス60勝)」を達成したサウスポーが、今季のKA神奈川をコート内外で支えている。
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■主将・平野とともに芽生える責任感
KA神奈川はホーム・川崎での2連戦目を迎えたが、国際大会出場中の張本美和を欠き、ジュ・ユリン、チェン・イーチンら今季の外国人選手も不在という苦しい状況の中での試合となった。
そんなチームを、主将・平野美宇とともに支えたのが長﨑。この日は第1マッチのダブルスと第2マッチのシングルスで起用された。
第1マッチでは岡田琴菜とペアを組み、横井咲桜・青木咲智組と対戦。惜しくも敗れたものの、第2マッチのシングルスでは佐藤瞳の粘り強いカットプレーに苦しみながらも奮起。第4ゲーム以降は好ショットを連発し、最終第5ゲームではデュースの攻防を制して貴重な1点をもたらした。
試合後、長﨑は「私たちのシングルスのどちらかが敗れると、9割方負けてしまうかもしれないと、試合前から平野選手と話していました」と語り、「平野選手が1点取ってくれると信じていたので、私も絶対に1点を取らなければという気持ちで臨みました」と、責任感ある姿勢を見せた。
■垣間見えるコート外での貢献
今季は開幕から安定したパフォーマンスを見せる長﨑。中澤鋭氏が代表監督に就き、王子嘉樹氏に代わった新体制の中でも、積極的にチームを支えている。新加入の外国人選手に積極的に声をかけ、若手選手にも助言を送るなど、コート外での貢献も目立つ。
長﨑は、「私自身も海外のリーグでアウェー感を感じたことがありました。そうしたまま試合に入ると集中しきれない」と自身の経験を振り返りつつ、「選手がコートでやりやすい環境を作るには、普段のコミュニケーションから始まる。まずはチームに慣れてもらえれば、実力のある選手たちなので力を発揮してくれる」と、その背景を語った。
なお、長﨑は前日の京都カグヤライズ戦で田村美佳に勝利し、Tリーグ通算で「60-60(シングルス60勝&ダブルス60勝)」を達成。この日の勝利でシングルス通算では61勝となった。
記録達成について、長﨑は「もちろんTリーグで勝つことも目指していますが、私の目標はオリンピックや世界選手権でのメダル獲得。なので、気づいたら『60-60』を達成していた、という感じです」と語り、「左利きで、シングルスもダブルスも起用していただくことが多いので、自分の強みをもっと出していきたい。次は『70-70』を目指して、一つずつ階段を登っていきたい」と、さらなる飛躍を誓った。
ホーム2連戦に連勝し、2位・ニッペMとの勝ち点差を「6」に広げたKA神奈川。監督も新体制に変わり、2連覇に向けて歩みを進めるチームを、23歳のサウスポー・長﨑美柚が「潤滑油」として力強く牽引している。
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