
ドジャースの大谷翔平投手は今季、8月終了時点で134試合に出場。打率.276、45本塁打、85打点、17盗塁、OPS.986の好成績で強力打線をけん引している。月間打率.204と苦しんだ7月から回復を見せ、8月は打率.306、7本塁打、OPS1.020、月別では今季最多の23四球を記録した。
8月の大谷は、ストライクゾーンの見極めに優れていた点が成績回復の一因に挙げられる。ここでは、MLB公式のデータサイト『Baseball Savant』で打撃指標を掘り下げてみたい。
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■本塁打王争いでは後れをとるも……
今季8月の大谷は、月間打率.306(98打数30安打)、7本塁打、OPS1.020をマーク。4戦連発を記録した一方で、直近6試合ではアーチなしと月末はややインパクトに欠けた印象も拭えない。ナ・リーグ本塁打部門では、カイル・シュワーバー外野手(フィリーズ)に5本差をつけられた。
しかし、月間打率.204に陥った7月からは打撃指標が大きく向上。MLB公式のデータサイト『Baseball Savant』によると、8月は三振割合が今季最少の23.9%に改善、先月より6ポイントの回復を見せた。また、四球率16.2%は今季月間最多で、過去2番目の数値を記録しており、際どいコースの見極めに長けていたと言える。
■ボール球の見極めが大きく向上
『Baseball Savant』では、ストライクゾーンを4つのエリアにカテゴリー分け。コース真ん中付近の甘い部分を「Heart(ハート)」、ストライクゾーンの境目をグルリと囲む「Shadow(シャドウ)」、やや外れたボール球を「Chase(チェイス)」、完全に外れたものを「Waste(ウェスト)」と呼んでいる。
8月の大谷で際立ったのが、ゾーン境い目のエリア「シャドウ」の成績向上だ。この「シャドウ」における月間打率が、7月の.154から8月は過去3位に位置する.333に大幅改善。長打率に至っては「.233→.644」までアップ、5月の5本塁打に次ぐ4本塁打を記録した。
また、平均打球速度の上昇も見られ、長打が増えてインプレー打率もアップした。シーズン佳境で再び上昇曲線を描き始めた大谷の打撃。9月以降の爆発にも期待が膨らむ。
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