
ア・リーグ西地区のマリナーズは9日(日本時間10日)、本拠地T-モバイルパークで米国野球殿堂入りを果たしたイチロー氏の永久欠番セレモニーを開催する。
米メディア『シアトル・スポーツ』のシャノン・ドレイヤー記者は、20年以上に渡る取材経験を振り返り、イチロー氏との秘蔵エピソードを明かした。
◆殿堂入りイチロー氏、通算打率.300を割っていたのは「25/3万9064球」 公式がメジャー19年間の“クレイジーな指標”を紹介
■殿堂入りを祝したセレモニーが開催
マリナーズは8日(同9日)から、米国野球殿堂入りのイチロー氏を祝福する「イチロー・ウイークエンド」と題したイベントを開催。
初日には、本拠地試合の来場者先着2万人に、イチロー氏が262安打のメジャー記録を達成した2004年のレプリカユニホームを配布。球場内には殿堂入りの記念プラークが特別展示され、ファンが記念撮影を行った。2日目となる9日(同10日)には、試合前に背番号「51」の永久欠番セレモニーを開催。さらに翌日は、記念プラークのレプリカが配布される。
『シアトル・スポーツ』の公式YouTubeは4日(同5日)、「殿堂入りイチロー氏、マリナーズ時代の唯一無二の功績」と題した動画を公開。同メディアで長年取材を続けているドレイヤー記者が、イチロー氏の現役時代のエピソードを振り返った。
■細部への徹底的なこだわり
ドレイヤー記者は、当時とはデザインが変わったマリナーズのクラブハウスを案内しながら、イチロー氏が本拠地での試合前に食べていた球団シェフお手製の「イチ・ウィングス」と呼ばれるメキシカン風の鶏ローストや、弓子夫人の特製おにぎりについて語った。
また、イチロー氏が右翼手として長年守った本拠地の「外野の芝生の模様は彼が決めていた」と明かす。「見た目ではなくて、芝の向きが重要だったんです。どの方向に倒れているかでボールの転がり方に影響するから。それくらい彼は細部にこだわっていました」と、驚きのエピソードを明かしていた。
ドレイヤー記者が「もっとも印象に残っている」と話したのが、引退後の2020年と21年。コロナウイルスによるパンデミック下でチームが遠征中の際、イチロー氏は本拠地球場で自身のルーティンをこなしながら、リハビリ中の選手たちとキャッチボールやランニングを共にしたそう。
ある時は、投手を助けるために捕手用のマスクやプロテクターなどをフル装備で注文。「彼は『本気でやるなら徹底的にやる。投手を正しく助けたい』と。彼がどれほど球団に貢献したいか、マリナーズを大切に思う気持ちがどれほど強いかが伝わってきました」と、強い感銘を受けていた。
◆殿堂入りイチロー氏、通算打率.300を割っていたのは「25/3万9064球」 公式がメジャー19年間の“クレイジーな指標”を紹介