【MLB】トレードデッドラインで得した球団、損した球団 完全解体、堅実補強、若手の安売り回避…思惑交差で意外な移籍劇も | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【MLB】トレードデッドラインで得した球団、損した球団 完全解体、堅実補強、若手の安売り回避…思惑交差で意外な移籍劇も

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【MLB】トレードデッドラインで得した球団、損した球団 完全解体、堅実補強、若手の安売り回避…思惑交差で意外な移籍劇も
  • 【MLB】トレードデッドラインで得した球団、損した球団 完全解体、堅実補強、若手の安売り回避…思惑交差で意外な移籍劇も

7月末を期限に締め切りとなった2025年のMLB夏のトレード。例年、期限ギリギリでの駆け込みディールが多く、今季も残り2日間で52件のトレードが成立した。

このトレードによって、今後ポストシーズンを目指すのか、はたまた再建に取り掛かるのか?球団の思惑がわかるが、一体どのような結果になったのか。トレードに積極的だった球団や、意外な契約などを見ていこう。

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■ツインズ完全解体 ロースターの半分ほどを放出

今回のトレードデッドラインでファイヤーセールを行ったのがツインズだ。アクティブロースターに入っていた26人のうち、実に10人もの選手を放出するなど文字通り解体に動いた形となった。

最も大きなトレードは守護神のヨアン・デュラン投手。混戦となっているナ・リーグ西地区の強豪フィリーズとのトレードは、プロスペクトランキングTOP100にランクインしているミック・ベイル投手、エデュアルド・タイト捕手の2人。さらに衝撃的だったのが、カルロス・コレア内野手の放出だ。全球団へのトレード拒否権を保有していたコレアだが、古巣アストロズへの移籍を希望したことで、まさかの復帰を果たした。交換要員として受け取ったのが、球団内でのプロスペクトランキングに入っていない若手投手だったこともあり、ツインズの狙いはサラリーダンプにあったことは間違い無い。

■主力放出で今季は白旗のDバックス、マリナーズは本気の補強

注目選手として噂されていたエウヘニオ・スアレス内野手は、2022年から2年間プレーしたマリナーズへと移籍。今季はナ・リーグで大谷翔平投手と本塁打王のタイトルを争うなど好調ぶりが目立ったが、ア・リーグ移籍によってタイトル獲得はなくなった。

今季の目玉選手としてヤンキースなども狙っていたスアレスだが、投手有利とされる本拠地Tモバイルパークで打線を牽引する力を見せられるかに注目が集まる。マリナーズは同じくDバックスから25日にジョシュ・ネイラー内野手も獲得しており、強打の選手を2人迎え入れることとなった。首位アストロズとのゲーム差がありながらも、地区2位につけるチームの活性剤として期待が高まる。

■菅野は残留も解体状態のオリオールズ

ア・リーグ東地区では、オリオールズが売り手として複数選手を放出。ライアン・オハーン内野手、ラモン・ロレノア外野手をパドレスへ、セドリック・マリンズ外野手をメッツに放出したことで、事実上今季は白旗。一方、移籍が噂されていた菅野智之投手は残留。今季8勝5敗と苦戦が続くチームの中で奮闘を続けるものの、前半戦終盤から調子を崩したことにより市場評価が下がったものとみられる。1年契約のため、来季以降の動きは流動的ではあるが、終了まで好調をキープして新たな契約に繋げたい。

トレードデッドラインでの交渉で大きな動きをみせたのが、8選手獲得、14選手放出と22人の選手が関与する大トレードを行ったパドレスだ。

注目はアスレチックスの守護神メイソン・ミラー投手と、今季7勝のJP・シアーズ投手。プロスペクト4人を放出しての一大トレードは、パドレスの本気度を感じさせた。さらに、先述したオハーンとロレアノのトレードでも6選手を放出。ロイヤルズからはフレディ・フェルミン捕手、ブルージェイズからはウィル・ワグナー内野手、ブルワーズからはネスター・コルテス投手とレギュラー級選手を続々と補強した一方で、多くのプロスペクト放出したことで来季以降のファームシステムへの不安は残る。今季優勝を逃せば、長い低迷期が続くことも考えられるだろう。

■ビッグディールはなくも堅実なドジャース ヤンキースも補強に成功

ナ・リーグ西地区で首位を走るドジャースは、ジェームズ・アウトマン外野手をツインズへ放出しブロック・スチュワート投手を補強。さらには、今季復活したばかりのダスティン・メイ投手をレッドソックスへ放出し、若手有望株2名を獲得。そして、弱点とみられていた外野手の一角としてナショナルズからアレックス・コール外野手を補強するなど、派手さはないながらも堅実な補強を見せた。このトレードに対して苦言を呈する現地メディアもあるものの、今季のみならず来季以降も“王朝”を継続させるために若手の安売りを行わなかった姿勢は評価できるだろう。

また、ヤンキースは課題だった三塁手、救援投手の補強に成功。パイレーツからデービッド・べドナー投手、ジャイアンツからカミロ・ドバル投手を獲得するなどブルペン陣に厚みをもたせることとなった。三塁手としては、2年半保有できるロッキーズのライアン・マクマーン内野手を獲得。弱点と称されていた三塁手問題に決着をつけ、ポストシーズンに向けて盤石の体制を整えた。

今回のトレード期間中にはセス・ルーゴ投手がロイヤルズと契約を延長。トレードが確定的とされたマーリンズのサンディ・アルカンタラも残留と、大物先発投手のトレードが少なかったが後半戦の戦線にどのように影響するのか。熾烈な戦いが予想される各地区の順位争いが楽しみだ。

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