
現役時代、野茂英雄とバッテリーを組んでいたマイク・ピアザが、メッツのフアン・ソト外野手にアドバイスを贈った。15年総額7億6500万ドルという米プロスポーツ史上最高契約でメッツに加入したものの結果が伴わず、ファンから批判を浴びている26歳に対して「リラックスして、チームメートに頼れ」と伝えた。
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■殿堂入り名捕手も苦しんだ経験
ピアザといえば、野茂が1995年にメジャーデビューした時のドジャースの正捕手。初登板を含め、96年ロッキーズ戦でノーヒット・ノーランを達成した時もバッテリーを組んでいた。
その好相性ぶりは明らかで、日本でもファンが急増。一躍人気者になり、日本の大手企業のCMにも起用されたほどだった。その後、マーリンズを経てメッツに加入。すると、野茂もほどなくしてメッツに移籍し、再会。“野茂の女房役”として定着し、高い知名度を誇った。
強打の捕手として鳴らし、米野球殿堂入りも果たしたピアザだが、実はメッツ移籍後、ソトと同じく批判の的となった。加入当初、打率こそ3割を超えていたものの、得点圏打率が低く、打点も伸びなかった。そのためファンからブーイングを浴びていた。
それは、最近のソトを取り巻く状況と酷似。ピアザは米地元紙『ニューヨーク・ポスト』の取材に対し、「彼が経験しているのは、通過儀礼みたいなもの。期待が大きい上にヤンキースから入ったことで話題性も増した。でも、これはニューヨークでプレーするということの一部だ。乗り越えなければならないし、そのためにはチームメートを信じて頼り、支えてもらうことが大切なんだ」と話した。
■「チームのこととして捉えろ」
ピアザ自身も当時のチームメートに助けてもらったそうで、周囲の雑音を遮断し、野球に集中できる環境を整えたと振り返った。
「彼へのアドバイスとしては、『リラックスして、自分のことではなくチームのこととして捉えろ』ということになる。私は自分がルーキーの時、先輩選手からこう言われたんだ。『全力でプレーしろ。あとは自然にうまくいく』ってね。その助言に従ってプレーを続けた」とした。
そして、「彼が打撃の仕方を忘れたわけじゃない。このゲームは本当に厳しいが、今の彼はまさにスポットライトの真ん中にいる」と述べ、エールを贈った。
メッツで同じ経験をしたレジェンドの言葉をソトはどう受け止めたのか。今後のプレーに注目が集まっている。
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