平野美宇、熟成の23歳が垣間見せた変化「このプレッシャーは……」 最終決着迎える伊藤美誠とのデッドヒート【全日本卓球】 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

平野美宇、熟成の23歳が垣間見せた変化「このプレッシャーは……」 最終決着迎える伊藤美誠とのデッドヒート【全日本卓球】

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平野美宇、熟成の23歳が垣間見せた変化「このプレッシャーは……」 最終決着迎える伊藤美誠とのデッドヒート【全日本卓球】
  • 平野美宇、熟成の23歳が垣間見せた変化「このプレッシャーは……」 最終決着迎える伊藤美誠とのデッドヒート【全日本卓球】

卓球の日本一を決める「2024年全日本卓球選手権大会」が、22日から28日まで東京体育館にて行われる。今大会は日本卓球協会が定めるパリ五輪選考対象の最後の大会となっており、シングルスの出場選手が決定する。

◆全日本卓球選手権2024 日程・放送予定・ライブ配信 注目選手、パリ五輪選考ポイント

■石川佳純の引退で世代交代進む

大会前の時点で女子のパリ五輪選考ランキング2位につけるのは平野美宇。同学年で長年ライバルとして切磋琢磨してきた伊藤美誠とのポイント差はわずか「34.5」。前回の東京五輪前にも石川佳純とのデッドヒートを繰り広げたが、今回もシングルス出場権をかけた厳しい戦いに挑んでいる。

ロンドン、リオ、東京と3大会連続で五輪に出場しメダルを獲得してきた石川が昨年現役を退いたことや、15歳の張本美和など進境著しい若手の台頭もあり、平野の立ち位置もここ数年で変化してきた。選考レース首位の早田ひな、2位平野、3位伊藤の“黄金世代”が中心を担うようになり、相手からの対策も進むなど、責任も増したなかで最前線に立つことが求められた。

平野は昨年11月の第6回選考会「2023 全農CUP 大阪大会」では伊藤との選考争いに注目が集まったなか、準々決勝で21歳の長﨑美柚に敗れるなど、不完全燃焼の6位に終わった。「ハリケーンと言われていた時は今の張本選手じゃないけど技術と若さで怖いもの知らずだった。今はこうして年下の選手や自分の卓球を知ってる選手が増えて、順調にいかないこともたくさんある」とキャリアを重ねていく上での難しさを語っていた。

■Tリーグ個人戦で伊藤を撃破

それでも、プレッシャーがかかる試合をこなすなか、今回の選考レースで平野が垣間見せた変化もあった。

昨年6月に行われた「Tリーグ NOJIMA CUP 2023」では、伊藤と決勝で直接対決し、4-3で勝利し優勝。ライバル対決を制しての戴冠にも、「東京五輪の時は2017年にかなり結果が出て、自分でも結果が出てるのに五輪に行けなかったらもったいない気持ちがあった」と高速卓球を武器に“ハリケーン”と呼ばれ、恐れられた時期を振り返りながら、「日本や自分のレベルを考えた時に自分は挑戦者」「向かっていく立場」と冷静に今の立ち位置を見極める姿が見られた。

また、第6回選考会でも「今ここにいれてるのは自分が努力してきたからだと思う。昔の自分を認めた上で、今この出れるか出れないかという立場に入れてるのはすごい」と選考レースでの積み重ねを自己評価。さらに、「このプレッシャーを幸せだと思って明日(第6回選考会の順位決定戦)と全日本を戦っていきたい」と厳しい局面に立ち続けたことで、新たな境地に立ち、心身ともに成長を遂げたことがコメントからも窺えた。

22日から始まる全日本選手権だが、平野はシングルスでは26日の4回戦から出場する。伊藤とのシングルス2枠目をかけた最後の戦いで、前回果たせなかった出場枠を獲得できるか。熟成を重ねた“23歳の平野美宇”が見せる大勝負となる。

およそ2年にわたり繰り広げられてきたパリ五輪のシングルス出場枠をかけた戦いにも、ついに終止符が打たれる。平野が東京の地で見せる一挙手一投足には注目が集まる。

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文●井本佳孝(SPREAD編集部)

《SPREAD》
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