女子ゴルフの国内第33戦「NOBUTA GROUP マスターズGC レディース」（兵庫県・マスターズゴルフ倶楽部／6495ヤード、パー72）が19日、開幕する。
昨季は、最終日最終組で出た川﨑春花が大激戦を制し、1打差の逃げ切りで通算2勝目を挙げた。今大会は残り少ない4日間大会の一つ。獲得ポイントが高いため、女王争いとシード権争いに大きく影響を及ぼす一戦となる。また、2015、16年と賞金女王に輝いたイ・ボミ（韓国）の日本ツアー最終戦としても注目が集まる。この重要な試合を制するのは果たしてどの選手か。
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■鍵はFWキープとパーオン数
「マスターズゴルフ倶楽部」の最大の特徴は、小さく、傾斜が強いグリーンだろう。距離は十分にあり、フェアウェイ（FW）が思いのほか狭く映る。しっかりFWキープし、2打目でピンと同じ面につけ、バーディチャンスを多くつくることが勝つための条件になる。
つまり、ショットが良くないと、攻略が難しいコースなのだ。以下に過去2大会の上位選手のスタッツを掲げる。これを見ると、FWキープとパーオンの重要性がよく分かるはずだ。
過去2年、上位選手スタッツ
21年大会のスタッツを見てほしい。優勝した古江彩佳はFWキープ、パーオン数とも、2位、3位の選手を圧倒している。22年大会に優勝した川﨑もFWキープが断トツで高く、パーオン数も2位タイの選手たちと同等であった。
ちなみに優勝した2選手の優勝年のスタッツを調べてみると、21年の古江はFWキープ率が76.9780%の5位、パーオン率が70.5817%の20位。22年の川﨑はFWキープ率が74.2188%、パーオン率が72.0486%。規定ラウンド数に達していないため、順位はないが、それぞれ14位、9位に該当する数値となっている。
こうしてみると、FWキープ率とパーオン率がともにトップ20入りしていることが、優勝を狙うための一つの基準となり得そうだ。そこで、次に今季ここまでのFWキープ率、パーオン率の上位選手をピックアップしてみた。
FWキープ率、パーオン率トップ20
FWキープ率、パーオン率の双方がトップ20入りしている選手は5人と少ない。申ジエは今大会エントリーしていないので、実質4人。名前を挙げると、山下美夢有、高橋彩華、稲見萌寧、イ・ミニョン（韓国）。この中で最も推したいのが稲見だ。
稲見の直近2試合のパーオン率は81/90、90%と完全に好調時のショットの精度を取り戻した。問題はパッティングだったが、これもストロークを改善し、「狙った方向へボールを打ち出せるようになった」という。であれば、復活優勝の可能性大とみていい。
対抗は、前週5位タイと復調してきた山下だろう。申不在の4日間大会で単独2位以上に入れば、メルセデス・ランキングのトップに返り咲ける。2年連続の年間女王獲得に向け、重要な試合となることは間違いない。
このほか、地元の名門・滝川二校出身の安田祐香と堀琴音にも期待したい。来季のシード権を確実にしている安田は、初優勝を獲ることに集中して戦える強みがある。一方の堀は今季苦しんだが、長尺パターに変えてから徐々に調子を上げ、メルセデス・ランキングも52位まで浮上してきた。4日間大会で上位に食い込み、ポイントを大きく加算したいところだ。
初日の注目組だが、まずは神谷そら、ディフェンディング・チャンピオンの川﨑、山下の組。1番から9時40分にスタートする。次に稲見、菅沼菜々、菊地絵理香のペアリング。1番から9時50分にティーオフする。
2週連続優勝を狙う櫻井心那は、岩井明愛、吉田優利との組み合わせで、10番から8時20分のスタート。そしてラストゲームとなるイ・ボミは、小祝さくら、上田桃子とのペアで、8時30分、10番スタートとなる。
■有力選手のペアリング
なお、有力選手の主なペアリングは以下の通り。
1番スタート／9:10／内田ことこ、河本結、金澤志奈1番スタート／9:20／鶴岡果恋、脇元華、金田久美子1番スタート／9:30／宮田成華、新垣比菜、藤田光里1番スタート／9:40／神谷そら、川﨑春花、山下美夢有1番スタート／9:50／稲見萌寧、菅沼菜々、菊地絵理香1番スタート／10:00／安田祐香、永井花奈、青木瀬令奈10番スタート／8:00／佐久間朱莉、福田真未、永峰咲希10番スタート／8:10／竹田麗央、岩井千怜、渡邉彩香10番スタート／8:20／櫻井心那、岩井明愛、吉田優利10番スタート／8:30／小祝さくら、上田桃子、イ・ボミ（韓国）10番スタート／9:00／阿部未悠、吉本ひかる、桑木志帆10番スタート／9:10／西郷真央、植竹希望、藤田さいき10番スタート／9:20／三ヶ島かな、蛭田みな美、木村彩子10番スタート／9:30／森田遥、堀琴音、笠りつ子10番スタート／9:40／小滝水音、ささきしょうこ、鈴木愛
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文●河野道久
