【女子ゴルフ】申ジエのグランドスラムか、山下美夢有の巻き返しか、岩井明愛の3週連続Vか 日本女子オープン展望 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【女子ゴルフ】申ジエのグランドスラムか、山下美夢有の巻き返しか、岩井明愛の3週連続Vか 日本女子オープン展望

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【女子ゴルフ】申ジエのグランドスラムか、山下美夢有の巻き返しか、岩井明愛の3週連続Vか 日本女子オープン展望
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女子ゴルフの国内メジャー第3戦「日本女子オープンゴルフ選手権」(福井県・芦原ゴルフクラブ 海コース/6528ヤード、パー72)が28日、開幕する。

昨季は勝みなみが3打差をひっくり返す逆転で、史上3人目の連覇を成し遂げた。今季、その勝の姿はないが、1983年大会以来2度目の開催となる「芦原ゴルフクラブ 海コース」を舞台に、4日間の熱き戦いが繰り広げられる。56回目のナショナルオープン、栄えある日本一の座を射止めるのは果たして誰か。

◆3週連続完全Vがかかる岩井明愛 古江彩佳が2年ぶり出場/国内メジャー第3戦

■FWキープがショットの精度を生む

「芦原ゴルフクラブ 海コース」は今大会開催に向けて改修が行われ、2022年1月に生まれ変わった。

2グリーンを1グリーンにし、開場当時の姿を再現できるよう枯れ松や密集した松を伐採、シーサイドコースらしく海が見えるようにした。また、ドライバーショットのランディング地点にはバンカーなどを配置したという。

これによってどうなったかといえば、より風の影響を受けるようになり、効果的に配されたバンカーともども、さらに難易度が増したとみていい。

元々、風の読みとショットの精度が必要なコースだったが、1グリーンでグリーンが大きくなれば、ピンの位置によってどこに落とすかをきっちりマネジメントしなければいけないし、2打目は当然フェアウェーから打ちたい。おそらくラフも仕上がっているだろうから、フェアウェーキープの重要性はなおさら高まるはずだ。

とはいえ、あくまでも風次第だが、昨季ほどのロースコア決着(優勝スコアは3アンダー)にはならないのではないか。用具の進化も含めてトップ選手たちの肉体的・技術的なレベルアップはそれほど顕著だと感じている。

風がそこそこだとすれば、ポイントはフェアウェーキープ率とバーディ数になってくるとみている。実は、フェアウェーキープ率と平均バーディ数という2つのスタッツ、両方とも上位につける選手は意外に少ない。以下を見ていただきたい。

今季のフェアウェーキープ率と平均バーディ数

両スタッツともトップ5にいるのは、山下美夢有申ジエ(韓国)しかいない。この二人が優勝候補になるのは間違いないが、勝ちたいという思いの強さは申の方が上だろう。

昨季、単独首位で最終日を迎えたが、勝に逆転を許し、初優勝を逃したのは記憶に新しい。申は今大会に勝てば、生涯グランドスラム達成となる。彼女が最も欲しているタイトルは、年間女王と、この「女子オープン」制覇であることは論を待たない。

今回は、申にとって最大のチャンスである。申の好調時と今季のスタッツを以下に比較してみた。

申ジエの好調時と今季のスタッツ比較

日本ツアーで申が好調だったのは、18年と19年。18年は4勝、うち3勝は今大会以外のメジャー制覇だった。19年は3勝し、年間最小平均ストローク「69.9399」をマーク、この記録はいまだ破られていない。その18年、19年と今季を比べても、フェアウェーキープ率と平均バーディ数は遜色ないし、平均バーディ数はむしろ今季の方が高い。要するに、好調時の申に戻ったということだ。

付け加えると彼女は風にも強い。今季、あのペブルビーチでの「全米女子オープン」で2位タイに入ったことがそれを証明している。ただ、勝ちたい思いが強ければ強いほど、難しくなるのがゴルフでもある。申は自分をどうコントロールしていくのか、見ものである。

日本勢に話を移すと、最有力候補はやはり山下だろう。勝ってなんら不思議はない。苦しみながら2勝目を挙げたことで、完全に一皮むけた岩井明愛も双璧といえる。2年連続の年間女王を目指す山下、3週連続優勝がかかる明愛。この二人からは目が離せない。

そして、「選手権」後に「メジャーは届きそうで届かない」と話していた小祝さくら。そうは言っても、今季メジャーで3位タイ、1打差2位とキャリアハイの成績。長く好調を維持している点、風に負けない球が打てる点など、ポジティブな材料は多い。

さらに、3週連続トップ3フィニッシュの西郷真央、大舞台で強いショットメーカーの稲見萌寧も侮れない。21年大会以来の出場となる古江彩佳が、どこまで日本の芝にアジャストしてくるかも見どころの一つになるだろう。

最後に挙げておきたいのが、奇しくも56度目のメジャー挑戦が56回目の「女子オープン」になるという上田桃子。悲願のメジャー制覇なるか、上田の奮闘に期待したい。

初日の注目組だが、午前では櫻井心那、神谷そら、岩井ツインズの姉・明愛の組み合わせ。7時20分、10番スタートとなる。午後では古江、上田、小祝のペアリング。1番から11時30分にティーオフする。

■有力選手のペアリング

なお、有力選手の主なペアリングは以下の通り。

10番スタート/7:00/川﨑春花、蛭田みな美、穴井詩10番スタート/7:10/菊地絵理香、西郷真央、佐久間朱莉10番スタート/7:20/櫻井心那、神谷そら、岩井明愛10番スタート/7:50/岩井千怜、菅沼菜々、吉田優利10番スタート/8:00/@ケイトリン・ピアース(オーストラリア)、申ジエ、青木瀬令奈10番スタート/8:20/金田久美子、横峯さくら、金澤志奈10番スタート/8:30/阿部未悠、野澤真央、佐藤心結1番スタート/11:30/古江彩佳、上田桃子、小祝さくら1番スタート/11:40/原英莉花、川岸史果、三ヶ島かな1番スタート/11:50/小滝水音、鈴木愛、永井花奈1番スタート/12:00/@中村心、吉本ひかる、尾関彩美悠1番スタート/12:10/@飯島早織、山下美夢有、稲見萌寧1番スタート/12:40/全美貞(韓国)、ささきしょうこ、仁井優花1番スタート/12:50/植竹希望、リ・ハナ(韓国)、桑木志帆

◆3週連続完全Vがかかる岩井明愛 古江彩佳が2年ぶり出場/国内メジャー第3戦

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文●河野道久

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