女子ゴルフの国内第24戦「CAT Ladies」（神奈川県・大箱根カントリークラブ／6638ヤード、パー72）が18日、開幕する。
昨季は、岩井千怜が史上3人目となる初Vからの2週連続優勝を成し遂げた。今大会から「全英女子オープン」に参戦していた山下美夢有、岩井明愛・千怜らメルセデス・ランキング上位選手が国内ツアーに復帰するほか、米ツアー参戦中の勝みなみも久々に出場する。
仙石原に広がる雄大な丘陵コースを舞台に、今季はどんな戦いが繰り広げられるのか。
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■平均バーディ数上位選手が有利
「大箱根カントリークラブ」を舞台にした今大会では、どんなゴルフをすれば勝てるのか。それを知るために、過去2大会の上位選手に共通する傾向を調べてみた。すると、パット数は少なく、パーオン数は多く、この二つのバランスが重要ということが見えてきた。
以下は、過去2大会の上位選手のパット数とパーオン数をまとめたものだ。
過去2大会上位選手のパット数とパーオン数
これを見ると、優勝者はパット数、パーオン数とも良い数字を残している。
2021年大会を例に説明すると、小祝さくらと三ヶ島かなのパット数は同じだが、パーオン数で小祝が上回ったので優勝できた。小祝と高橋彩華、稲見萌寧のパーオン数は同じだが、小祝がパット数で勝ったので優勝できた、ということが分かる。
そして、パーオンの確率を高め、パットの数を減らすとは、すなわちバーディをいかにたくさん取れるかである。もちろんボギーの数が多ければ元も子もないのだが。
こう考えていくと、平均バーディ数というスタッツの重要性にたどり着く。以下は、過去2シーズンの平均バーディ数トップ10選手の一覧である。
過去2シーズンの平均バーディ数
太字にしてあるのは、当該シーズンの今大会でトップ4以内に入った選手。いずれも4人中3人が、平均バーディ数でトップ10入りしており、かなりの高確率といえる。
なおかつ、22年大会3位タイ・竹田麗央の平均バーディ数は3.5741。ラウンド数が足りていれば、7位に入る数字である。従って、今季も平均バーディ数上位選手が優勝する可能性は極めて高いといえよう。
そこで、今季の平均バーディ数上位選手をまとめてみた。
今季の平均バーディ数
そうそうたるメンバーが並ぶが、気になるのは22年大会の竹田のような存在はいないのか、という点。つまり、平均バーディ数の数字は高いのに、規定ラウンド数に達していない選手。
その筆頭が勝であろう。22年1位、21年4位と平均バーディ数上位の常連であり、今季の国内ツアー出場試合では4.0000と4位にあたる数字を残している。
もう一人は原英莉花だ。22年6位、21年2位と、原も平均バーディ数上位の常連。今季はここまで3.4516と低調だが、復帰3戦目を迎え、バーディ数も増え、上位争いに加わってきても何らおかしくない。
勝、原に好調の小祝も加えて、黄金世代がバーディ量産で大逆襲、再びツアーをけん引する存在になることを期待するファンも多いだろう。
一方で、今季の女王争いも風雲急を告げてきた。申ジエ（韓国）が「全英女子オープン」で3位に入ったことで360ポイントを獲得。トップを走っていた山下は21位タイの60ポイントに終わったため、申が通算2091.60ポイント、山下は1947.19ポイントとなり、現状、実質首位は逆転している。
ただし、「全英」のポイントは、今大会終了後に反映されるため、山下がここで優勝すればトップを守ることができる。今大会を含めてあと15戦あるとはいえ、年間ポイントレースの行方も気になるところだ。
初日の注目組だが、まずは「全英」で日本人最上位11位タイと結果を残した岩井ツインズの姉・明愛、稲見、前々週復活優勝を果たした鈴木愛の組み合わせ。1番から9時25分にティーオフする。次に、前週初優勝の菅沼菜々、櫻井心那、小祝のペアリング。9時35分、1番スタートとなる。最後に、山下、上田桃子、岩井ツインズの妹・千怜のペア。9時55分に1番からスタートする。
■有力選手のペアリング
なお、有力選手の主なペアリングは以下の通り。
1番スタート／8:45／川﨑春花、山内日菜子、ささきしょうこ1番スタート／8:55／野澤真央、川岸史果、神谷そら1番スタート／9:05／佐久間朱莉、原英莉花、藤田さいき1番スタート／9:15／小滝水音、青木瀬令奈、穴井詩1番スタート／9:25／岩井明愛、稲見萌寧、鈴木愛1番スタート／9:35／菅沼菜々、櫻井心那、小祝さくら1番スタート／9:45／桑木志帆、勝みなみ、西郷真央1番スタート／9:55／山下美夢有、上田桃子、岩井千怜
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文●河野道久
