【ラグビーW杯】日本代表、決勝トーナメント進出には落とせない“イタリア戦” 19年以来の快進撃に期待 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【ラグビーW杯】日本代表、決勝トーナメント進出には落とせない“イタリア戦” 19年以来の快進撃に期待

新着 ビジネス
【ラグビーW杯】日本代表、決勝トーナメント進出には落とせない“イタリア戦” 19年以来の快進撃に期待
  • 【ラグビーW杯】日本代表、決勝トーナメント進出には落とせない“イタリア戦” 19年以来の快進撃に期待

9月8日に開幕するラグビーワールドカップ2023フランス大会の日本代表登録メンバーが15日、発表になった。選手たちは19日にイタリアに遠征し、26日にイタリア代表と試合をした後、フランスに入る。初戦は9月10日のチリ戦だ。

◆ラグビーW杯まで1か月、日本代表の“精巧なパズル”は完成するか 国内前哨戦「1勝4敗」を検証

■注目度ナンバーワンは、センターの長田

今回、発表されたメンバーは、代表33人のうちの30人。残りの3人は、けがの状況を見ながらフォワードから選出される模様だ。また、キャプテンは姫野和樹、副キャプテンは流大が指名された。

注目は、23歳の長田智希(CTB)だ。7月に行われたテストマッチ3試合で猛烈にアピール。ボールキャリアとしての粘り強さ、積極的なタックルで、リーグワン新人王から一気にワールドカップ代表を射止めた。ジャパンには、中野将伍、中村亮土、ディラン・ライリーと実績のあるライバルがいるが、ぜひ先発出場でファンを沸かせてほしい。

そのほか、フレッシュなメンバーでは、同じく23歳の福井翔大(FL)が楽しみ。豊富な運動量はもちろん、密集でのプレーはセンスが光る。ファイトを全面に出すプレーで起爆剤になってほしい。また、シオネ・ハラシリ(PR)と福田健太(SH)がノンキャップからの選出となった。

一方、ベテラン組ではラスボスこと堀江翔太の37歳が最年長。33歳の稲垣啓太、34歳のリーチ・マイケル、ヴァル・アサエリ愛、レメキ・ロマノ・ラヴァには、経験を生かした燻銀のプレーを期待したい。

■フルバック専門の山中が落選

落選組の大物は、前大会で不動のフルバックとして15番を背負った山中亮平だ。この点についてジェイミー・ジョセフHCは、「フルバックの一番手は松島幸太朗。けがをしたら、レメキ、マシレワでカバーする」とコメントした。スタンドオフとして登録された小倉順平も当然、その候補だろう。ユーティリティーが選出のポイントになったといえる。

ウイングの4人は、ジョネ・ナイカブラ、シオサイア・フィフィタ、セミシ・マシレワ、レメキという南太平洋コネクション。この結果、木田晴斗、根塚洸雅、高橋汰地などの夢は断たれた。

残り3つの椅子を争うのは、ピーター・ラブスカフニ(FL)、ワーナー・ディアンズ(LO)、テビタ・タタフ(NO8)、ヘル・ウヴェ(LO)、アマト・ファカタヴァ(NO8)、下川甲嗣(FL)などだろう。みんなほしい選手だが、ラブスカフニは、ケガから復帰したフィジー戦でレッドカードを受けて無念の退場となった。選出されたとしてもチリ戦、イングランド戦には出られない。ディアンズ、タタフはケガで7月のテストマッチに出られなかった。悩ましいところだ。

■26日のイタリア戦に勝って弾みをつけられるか

ファンとしては、2019年日本大会を超える快進撃を期待したいところだが、前哨戦の5試合を1勝4敗と大きく負け越した。21-16で勝ったトンガ戦も、終盤、2度のあわやトライというシーンを作られる薄氷の勝利だった。

現在、ジャパンはワールドランキング14位。26日に試合をするイタリアはシックスネーションズで勝ち星をあげられない格下チームと考えがちだが、ランキングは13位とジャパンより上だ。サマー・ネーションズシリーズでも優勝候補のアイルランドに17-33と食い下がった。なんとか敵地でイタリアに勝って弾みをつけたい。

なお、本大会でジャパンはイングランド、サモア、アルゼンチン、チリと同じプールに入っている。このうち12位のサモアとは7月に対戦し、22-24と勝ち切れなかった。イングランドは6位、アルゼンチンは7位とさらに上。決勝トーナメント出場のためには、チリ以外の3チームから2勝しなければならない。簡単なミッションではない。

余談だが、ジャパンに35-12と完勝したフィジーは、かなり強い。本大会では、ウェールズ、オーストラリアと同じプールに入るが、格上の2チームの調子が出ていないだけに大暴れの可能性がある。台風の目として注目したい。

◆「日本代表をさらなる高みへ」「最後のW杯になるかもしれない」代表30戦士の全決意【ラグビーW杯日本代表発表】

◆ラグビーW杯まで1か月、日本代表の“精巧なパズル”は完成するか 国内前哨戦「1勝4敗」を検証

◆ラグビー・ワールドカップ直前テストマッチに注目 優勝への道のりはいかに

著者プロフィール

牧野森太郎●フリーライター

ライフスタイル誌、アウトドア誌の編集長を経て、執筆活動を続ける。キャンピングカーでアメリカの国立公園を訪ねるのがライフワーク。著書に「アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅」「森の聖人 ソローとミューアの言葉 自分自身を生きるには」(ともに産業編集センター)がある。デルタ航空機内誌「sky」に掲載された「カリフォルニア・ロングトレイル」が、2020年「カリフォルニア・メディア・アンバサダー大賞 スポーツ部門」の最優秀賞を受賞。

《SPREAD》
page top