【スーパーフォーミュラ】第5戦 宮田莉朋が2勝目を挙げランキング首位に 野尻智紀、ローソンとの三つ巴の戦いは続く | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【スーパーフォーミュラ】第5戦 宮田莉朋が2勝目を挙げランキング首位に 野尻智紀、ローソンとの三つ巴の戦いは続く

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【スーパーフォーミュラ】第5戦 宮田莉朋が2勝目を挙げランキング首位に 野尻智紀、ローソンとの三つ巴の戦いは続く
  • 【スーパーフォーミュラ】第5戦 宮田莉朋が2勝目を挙げランキング首位に 野尻智紀、ローソンとの三つ巴の戦いは続く

スポーツランドSUGOで18日に行われたスーパーフォーミュラ2023シーズン折り返しの第5戦は、優勝が宮田莉朋(トムス)で、2位は野尻智紀(無限)、3位は牧野任祐(ダンディライアン)という結果となった。

◆【実際の映像】スーパーフォーミュラ初優勝からランキングトップに躍り出た宮田莉朋

■ローソン、初SUGOに手を焼く

ランキングも変化し、宮田が75ポイントでトップに浮上。今回5位に終わったリアム・ローソン(無限)が63ポイントで2位、3位が58ポイントの野尻となっている。

かなりの台数で実力が拮抗するスーパーフォーミュラゆえ毎戦ランキンググトップが入れ替わる流れは当然といえば当然だが、野尻がシーズンを通してその中心に君臨し続けた昨年までの2シーズンに続き今シーズンも野尻優勝で幕を開けたことからすれば想定外の展開ではある。果たして最終的にタイトルを手にするのは誰なのか、トップ3人の今回の戦いぶりから見て、予測は非常に難しい。

宮田の第5戦の勝利は、予選でフロントローを獲得し、スタートを決め、ここぞというところでオーバーテイクを成功させ、チェッカーまでペースも全く衰えないという完璧な勝利だった。予選12位から優勝した第3戦は展開に恵まれた部分が大きかったが、今回は正真正銘実力での勝利。ここまで何人ものチャンピオンを見てきた舘信秀監督の「戦いはまだ今シーズン4つ残っているが、このままランキングトップを走り続けられる勢いがあると今日の戦いで確信した」というレース後コメントは、自信というゲインも含め今後も優勝候補でありつづけるだろうと思わせるものだった。

ローソンにとっては今回、初のSUGOというのがポイントだった。

もちろん前回のオートポリスも同様だが、シミュレーションでSUGOは難しいと感じていたという。その中で予選6位、決勝5位は着実にポイントを重ねるためのセーフティな戦いだったのかといえば、そうではない。印象的だったのが、最も遅い41周目にピットインしフレッシュなタイヤで猛プッシュを見せた残り9周だ。7位で復帰した42周目、6位との差は5.8秒。そこから1周あたりおよそ1秒ずつ前に近づき、47周目にSPコーナー入り口で巧みなオーバーテイクを決め6位に浮上すると、49周目には5位。そこからさらに4秒近くあった差を2周の間でつめ、4位にコンマ1秒差でチェッカーを受けた。残り4戦は鈴鹿2戦、富士1戦と経験のあるコースが大半を占めることを考えれば、再逆転の可能性は高い。

もちろん野尻もまだ3連覇の可能性は充分。第3戦はバトルで接触し戦線離脱、第4戦は体調不良による急遽欠場で2戦連続ノーポイントに終わり、ランキングトップの座から後退した野尻に対し、今回の復帰戦で戦績以前に気がかりだったのが体力面だ。

SUGOは特に体力面できついと言われるサーキットで、さらに決勝スタート時は気温31℃、路面温度42℃と本格的な夏の暑さ。インターバル間は療養に徹しトレーニングを行っていなかったそうで、本人も不安を口にしていた。だがそんな不安をよそにレースでは、スタートモードのトラブルで出遅れ3位から6位に一時後退してしまうもアンダーカットを成功させ2位にジャンプアップを果たすと、トップこそ追えなかったものの3位を寄せつけないペースで51周を走り切った。次の第6戦は約1ヵ月後。体力が元に戻ればやはり、野尻は強いだろうと言わざるを得ない。

このようにトップ3にはそれぞれ三者三様のチャンピオン獲得に向けた裏づけがあるゆえ、後半戦も激戦必至と予想する。3人の中で誰が抜け出すのか、はたまた3人以外の候補が現れるのか、いずれにしても興味深い後半戦となりそうだ。

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著者プロフィール

前田利幸(まえだとしゆき)●モータースポーツ・ライター

2002年初旬より国内外モータースポーツの取材を開始し、今年で20年目を迎える。日刊ゲンダイ他、多数のメディアに寄稿。単行本はフォーミュラ・ニッポン2005年王者のストーリーを描いた「ARRIVAL POINT(日刊現代出版)」他。現在はモータースポーツ以外に自転車レース、自転車プロダクトの取材・執筆も行う。

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