【LPGA】“飛ばなくても強い”古江彩佳の秘訣 データから見えた崩れないゴルフの奥深さ | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【LPGA】“飛ばなくても強い”古江彩佳の秘訣 データから見えた崩れないゴルフの奥深さ

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【LPGA】“飛ばなくても強い”古江彩佳の秘訣 データから見えた崩れないゴルフの奥深さ
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246.070ヤード。

これは5月3日時点での古江彩佳の平均飛距離。LPGAのランキングでは148位/164位となる。

トップはマノン・デ・ロイの284.380ヤード、LPGAツアーメンバーの平均飛距離は259.397ヤードであることを考慮すると、古江のパワー不足が目立つ。しかし今季はここまで8戦を戦い、ベスト10入りが3回。「DIOインプラントLAオープン」で昨年8月以来の予選落ちを喫したものの、前週の「JMイーグルLA選手権」では最終日に6アンダーの猛チャージで4位タイに入るなど、飛距離の不利を感じさせない活躍を続けている。

ツアーメンバーの中では飛ばない古江だが、なぜここまで安定した活躍を見せているのか。

古江のスタッツを紐解くと、彼女の強さの秘訣が見えてくる。

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■スタッツからも分かる強さの秘訣

古江のこれまでのスタッツを見ると、全30ラウンド中にボギーを打ったのは64回。これは1ホールあたり11.85%の確率でボギーとなる計算だ。またダブルボギー以上を叩いたのは2度のみ。1ホールにダブルボギー以上を叩く可能性は0.37%で、この数値は現世界ランキング1位のネリー・コルダよりも優れている。

古江彩佳とN.コルダのスタッツ比較(5月3日時点)

一般的に飛ばない選手の場合、方向性は安定するもののセカンドショットでグリーンまでの距離が残り、パーオン率やスコアにも影響が出てくる。しかし古江の場合はパーオン率は68.15%(55位)、アンダーパーでラウンドした回数は30ラウンド中18回(5位)と安定しており、飛距離は出なくても結果を残している。

古江彩佳の今季スタッツ(5月3日時点)

■武器はセカンドとパッティング

古江がここまで安定した結果を残しているのは、的確なコースマネジメントとセカンドショット及びパッティングの精度が高いことが挙げられる。特にパッティングにおいては、スコアへの貢献度を示すストローク・ゲインド・パッティング部門において、1ホールあたり1.210(7位)と非常に高い数値を残しており、古江の崩れないゴルフを支えているのは間違いない。

古江の強さが象徴されたのは、昨年の「トラストゴルフ・スコティッシュ女子オープン」だろう。この時はコースロケーションの影響もあり、ティーショットを刻むことが多かった。飛距離は出ていないが大会当時を振り返ると、フェアウェイからセカンドを打ち、ピンに絡むことが多かった。

中でも勝負を決めた17番パー4は、ティーショットでドライバーを持たずにフェアウェイウッドを選択。グリーンを狙いやすいフェアウェイ右奥までボールを運ぶと、残り166ヤードを8番アイアンで攻め、ピンの奥につけた。やや長めのパットが残ったが、しっかりと打った球はカップのど真ん中から入り、9つ目のバーディを奪うことに成功。終わってみればトーナメントレコードとなる通算21アンダーでツアー初優勝を成し遂げた。

古江の活躍は飛距離がでなくても世界で勝負できることを証明する結果となっている。それと同時にファンに向けゴルフの奥深さや面白さを伝えているに違いない。ツアー2勝目はいつになるのか、今後の活躍に期待しよう。

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文●SPREAD編集部

《SPREAD》
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