【WRC】第2戦ラリー・スウェーデン デイ2はトヨタ勢大苦戦、勝田貴元がクラッシュ 首位はヒョンデのブリーン 後編 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【WRC】第2戦ラリー・スウェーデン デイ2はトヨタ勢大苦戦、勝田貴元がクラッシュ 首位はヒョンデのブリーン 後編

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【WRC】第2戦ラリー・スウェーデン デイ2はトヨタ勢大苦戦、勝田貴元がクラッシュ 首位はヒョンデのブリーン 後編
  • 【WRC】第2戦ラリー・スウェーデン デイ2はトヨタ勢大苦戦、勝田貴元がクラッシュ 首位はヒョンデのブリーン 後編

2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第2戦ラリー・スウェーデンは10日、本格的に森林コースを舞台するデイ2が行われたが、過去本大会を得意としてきたTOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR)は、突如足をすくわれた形となった。

◆第2戦ラリー・スウェーデン デイ2はトヨタ勢大苦戦、勝田貴元がクラッシュ 首位はヒョンデのブリーン 前編

■「もっとも難しいスノーステージ」と王者ロバンペラ

前年王者のカッレ・ロバンペラは「今朝は驚くほど良い路面コンディションでした。最初のステージは雪が柔らかく滑りやすかったので、予想通りかなりタイムを失ってしまいました。しかし、その後コンディションが良くなるとタイムも良くなっていったので、午前中はそれほど大きくタイムを失いませんでした。しかし、午後のループの最初のステージは、非常に深い轍が刻まれていて滑りやすい雪も多くあったため、自分がこれまで経験してきた中で、もっとも難しいスノーステージでした。そのためかなりタイムロスしてしまいましたが、とにかくミスなくクリーンに走り、道から外れないように努めました。それでも、プッシュできるコンディションではライバルに比べてかなり速かったので、明日の自分の出走順ならば、もっと速く走れると確信しています」と明日の挽回を誓った。

前夜、華やかなセレモニアル・スタートに立つロバンペラ組 (C) Toyota Gazoo Racing WRT

一方、ノートラブルにも速さを見せることができなかったエルフィン・エバンスは「午前中はクルマのバランスに苦しみ、自信を持つこともできなかったため、調子が良くありませんでした。しかし、昼のサービスでクルマのセットアップを少し変更したところ、午後はフィーリングが良くなりました。ですので、午後のステージに関しては全体的に満足していますが、それでもまだ自分たちが望む状況には達していないので、今後も全力を尽くして臨みます。ステージはとてもテクニカルでミスをしやすいので、まだまだ何が起きるか分かりません。とにかく戦い続け、明日は順位を上げていきたいと思っています」と気を取り直した。

46位へと大きく順位を下げた勝田貴元は「今朝はクルマのフィーリングが非常に良く、とても楽に走ることができていました。それほどプッシュしていなかったにも関わらずフィーリングは良く、タイムも出ていたので、とてもハッピーでした。午後は、限界まで攻めることなく高いスピードを保とうとしたのですが、路面には滑りやすい雪が多く、深い轍も刻まれている非常に難しいコンディションでした。SS5のフィニッシュ近くの高速コーナーで、轍のために十分スピードを落とすことができず、クルマの向きも完全には変えることができなかったため、コーナリングラインが膨らんでしまい、スノーバンクに激突してしまいました。完全に自分のミスですし、チームに本当に申し訳ないことをしてしまいました。今朝はとても良いスタートを切っていただけに残念です。明日、再出走して良いフィーリングを取り戻せることを願っています」と前を向いた。

■「完全に自分のミス」と勝田

デイリタイヤとなった勝田貴元 (C) Toyota Gazoo Racing WRT

TGRチーム代表のヤリ-マティ・ラトバラ は「予想していたよりも少しタフな一日でしたが、まだ何も終わってはいません。昨年よりも厳しいコンディションの中、1番手走者のカッレが苦戦することは予想できていました。通常、スノーステージでは1回目の走行は大丈夫だったとしても、2回目は深く幅の狭い轍が刻まれるため、難しくなります。今日のようなコンディションで、カッレがあれ以上良い走りをすることは不可能だったと思います。エルフィンは午前中あまり調子が良くありませんでしたが、ミッドデイサービスでエンジニアと一緒にベターなセットアップを見つけたことで、午後はポジティブな方向に進みました。貴元はこれまでで最高のパフォーマンスを見せていましたが、トリッキーなステージでコースアウトしてしまい、非常に残念です。明日、我々に速さがあって、その上でタイヤマネージメントが上手くできたならば、状況が変わる可能性はあります。表彰台を獲得できるかもしれないですし、少し運が良ければ、さらに良い結果を得られるかもしれません」と表彰台獲得を諦めない覚悟を示した。

11日のデイ3は、ウーメオーの北側エリアで3本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。そのうち、今回もっとも北側のエリアが舞台となるSS10/13「フロダ」は、今大会最長となる全長28.25kmのロングステージ。また、フロダとSS9/12「ノルビー」は今年新たに設定されたステージとなる。一日の最後にはSS1およびSS8のロングバージョンである、10.08kmの「ウーメオー1」がSS15として行われる。SSは全部で7本、合計距離は126.22kmと4日間で最長。リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は468.50kmとなる。果たして明日、トヨタ勢の逆襲はあるのだろうか。

■デイ2  総合順位

1 クレイグ・ブリーン/ジェームズ・フルトン (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) 57m05.5s2 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (フォードPuma Rally1 HYBRID) +2.6s3 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +11.2s4 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +26.5s5 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +31.1s6 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +36.8s7 ピエール=ルイ・ルーベ/ニコラ・ジルソー (フォード Puma Rally1 HYBRID) +1m16.2s8 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (シュコダ Fabia RS Rally2) +2m56.8s9 サミ・パヤリ/エンニ・マルコネン (シュコダ Fabia RS Rally2) +3m09.8s10 ヤリ・フットゥネン/アンティ・リンナケト (シュコダ Fabia R5) +3m31.9s

46 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +30m45.0s

2023年ラリー・スウエーデンのコース 提供:WRC・TGR

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文●SPREAD編集部

《SPREAD》
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