【NFL】第57回スーパーボウルは「マホームズ vs. ハーツ」 史上初の黒人QB対決の展望は… 前編 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【NFL】第57回スーパーボウルは「マホームズ vs. ハーツ」 史上初の黒人QB対決の展望は… 前編

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【NFL】第57回スーパーボウルは「マホームズ vs. ハーツ」 史上初の黒人QB対決の展望は… 前編
  • 【NFL】第57回スーパーボウルは「マホームズ vs. ハーツ」 史上初の黒人QB対決の展望は… 前編

アメリカンフットボールの最高峰・NFLの優勝決定戦「スーパーボウル」が12日(日本時間13日)に開催される。

◆パトリック・マホームズのスーパーボウル進出をメッツも祝福 父親はベイスターズにも所属した元プロ野球選手

■ブランド価値は、驚異の約1020億円

日本ではマイナーな立ち位置にある競技ではあるが、スーパーボウルの名前だけ、あるいはトップスターが演ずるハーフタイムショーなどでこのイベントを認知している人も少なくないだろう。

ドイツのデータ調査会社『スタティスタ』(Statista)の2019年の調査では、スーパーボウルのスポーツイベントとしての「ブランド価値」は7億8000万ドル(約1020億円)で、夏季オリンピック(3億7500万ドル)、米大学バスケットボールトーナメントのNCAAファイナルフォー(3億ドル)、FIFAワールドカップ(2億8200万ドル)といったイベントを大きく上回り世界一となっている。

アメリカという世界の超スポーツ大国かつ、グローバルな大企業が多く存在する国の最大イベントだから、また開催時期が他の大きなスポーツイベントとぶつからないから、といった理由はあるだろうが、この興行がもたらす影響はスポーツファンのみならず社会的、商業的な意味においても、とてつもなく大きい。

試合まであとわずか。

今年の第57回スーパーボウルではどのような点に注目すべきか。いくつか紹介したい。

第42回スーパーボウル取材時の一葉 撮影:永塚和志

■史上初、黒人QB同士の対決

今年のスーパーボウルのカードはカンザスシティ・チーフスフィラデルフィア・イーグルスの対戦となった。この20年、かつては白人が大半だったクォーターバック(QB)ポジションに黒人選手の数が加速度的に増えてきたが、今年のスーパーボウルでは史上初めて、出場両チームの先発QBが黒人となる。

ちなみにチーフスQBのパトリック・マホームズは、ここ4年で3度目のスーパーボウル進出となり、第54回大会(2019-20年シーズン)では優勝を果たしている。父は元メジャーリーグ投手で、1997年から2年間はプロ野球の横浜ベイスターズ(現・横浜DeNAベイスターズ)に所属していた。

スーパーボウル制覇時のマホームズ(c)Getty Images

NFL専門局『NFLネットワーク』の取材にマホームズは「黒人QBは最高峰のレベルで継続的な成功をもたらすことはできないというステレオタイプがあったから(黒人QB同士のスーパーボウル)は特別だ」と話している。

対してイーグルスのQBはジェイレン・ハーツ。ハーツは大学時代に転校を余儀なくされ、プロ入り時の評価は高くなかったが、イーグルスを5年ぶりの頂上決戦に牽引した。

マホームズがプレーオフの試合で足首の故障を負い十全に走ることができない可能性があることもあって、イーグルスが有利だとする声も多いが、今季、リーグ1位のオフェンスを誇ったチーフス(平均413.6ヤード獲得)と同2位のディフェンスのイーグルス(同301.5ヤード喪失)は実力が伯仲している。

『ドラフトキングス』や『シーザーズ』『ファンデュエル』といったアメリカ国内の主要なスポーツブッキング会社ではイーグルスがやや有利となってはいるが、本稿執筆時点では同軍が+1.5(この場合同軍が2点差以上で勝利すれば賭けた側が勝つということになる)と、こちらも接戦が期待されることを表している。

今年のスーパーボウルの開閉式はドームのステートファームスタジアム(アリゾナ州グレンデール市)で行われる。同所での開催は3度目だ。

◆【後編】第57回スーパーボウルは「マホームズvs. ハーツ」 史上初の黒人QB対決の展望は… 

◆父をも超える活躍を見せたスーパーボウルMVP、パトリック・マホームズの軌跡

◆スーパーボウル第56回、ロサンゼルス・ラムズが残り89秒逆転タッチダウンで22年ぶり栄冠

著者プロフィール

永塚和志●スポーツライター

元英字紙ジャパンタイムズスポーツ記者で、現在はフリーランスのスポーツライターとして活動。国際大会ではFIFAワールドカップ、FIBAワールドカップ、ワールドベースボールクラシック、NFLスーパーボウル、国内では日本シリーズなどの取材実績がある。

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