【車いすテニス】国枝慎吾、引退後は競技の普及に意欲も……柳井正会長はビジネス立ち上げに向け熱烈アプローチ「経営者の才能ある」 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【車いすテニス】国枝慎吾、引退後は競技の普及に意欲も……柳井正会長はビジネス立ち上げに向け熱烈アプローチ「経営者の才能ある」

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【車いすテニス】国枝慎吾、引退後は競技の普及に意欲も……柳井正会長はビジネス立ち上げに向け熱烈アプローチ「経営者の才能ある」
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プロ車いすテニスプレーヤーの国枝慎吾は7日、グローバルアンバサダーを務めるユニクロの有明本社内で、現役引退会見を行った。引退宣言から2週間を経て会見に臨んだ国枝は、終始笑顔で今後の活動について言及、ともに登壇したユニクロの柳井正会長は「一人の人間として尊敬できる。これからが人生本番。最大限応援していきたい」とエールを送った。

◆【前編】国枝慎吾現役引退、そして国民栄誉賞へ 「俺は最強だ!」伝説ができるまで…

■国枝「何をやりたいのか、ぼんやりと出てきた」

柳井会長は「新しい国枝慎吾の誕生という意味で、今日はめでたい日」と祝福し、「国枝選手の強みは『勝つことに徹底的にこだわること』。今までは助走、過去は必要ないです。今日がスタート。一緒に世界の中の日本をよりよく変えていきましょう。若い人が希望を持ってやっていくロールモデルとして、これからの国枝くんに期待しています」と引退後も活動を共にしたい考えを示した。

今後について聞かれると、国枝は「現役中もよく柳井会長に『終わったら何やるんだ。一緒にビジネスやろうぜ』とお声掛けいただいていたんですけど、現役の間に考えても現実味がなかった。(今は)なんとなく自分のなかでは何をしていきたいのか、ぼんやりと出てきた。言っちゃうとそれをやらなきゃいけなくなってしまうので、まだそこは心の中に秘めておきたい」と言葉を濁したが、照準は定まりつつあるとした。

国枝について「いつも感銘を受けている。彼みたいにパーフェクトな人は珍しい」と賛辞を送った柳井会長は「世界が一番困っていることに対して力になりたい。子どもたちと若い人の力になれるようなことで、国枝くんと何かやりたいなと。一緒にやれたら嬉しいです」と期待を寄せ、「経営者として、プロのスポーツ選手としてよりも才能を持っていると思う」と目を光らせる。

終始笑顔で会見に臨んだ国枝慎吾 撮影:SPREAD編集部

そんな柳井会長は、一番印象に残ったエピソードを聞かれると「最初会ったときに、この人だったら大丈夫なんじゃないかなと思ったこと。僕はその人の能力とか、過去やったこととかよりも、その人にあってどういうことを感じたかで決めるタイプなので」と語り、初対面から国枝の可能性を直感で感じ取っていた様子だ。

■車いすテニスの普及に熱意燃やす

さらに、国枝は「ユニクロでも昨年はイギリスで車いすテニスクリニックをやったり、オランダでやったりだとかも始めている。そういった関わりは今後も続けていきたいし、時間が現役のときよりもできるので僕自身も協力していきたい」と、車いすテニスの普及にも意欲的な姿勢を見せた。

車いすテニスへの熱意は人一倍 撮影:SPREAD編集部

「現役生活で何と戦ってきたのかなと思うと、車いすテニスを社会的に認めさせたり、『スポーツとしていかに見せるか』にこだわってきた。テニスをする中で知ってもらいたいというのが強くあったので、そこの活動はこの後も続いていく」とし、「(車いすテニスは)『スポーツとして』という舞台にようやく上がってきた。あとを託せる人たちが日本にはいる。そういった方たちのサポートもしていきたいし、そういった大会に自分自身も関わっていきたい。健常者の大会にどんどん車いすテニスの部を作っていただいて……PRにもなるし、そういった大会を世界各地で作っていくということも、僕が手伝えることかなと思っている」とどこまでも“車いすテニス一筋”だ。

最後に、柳井会長がユニクロのスタッフに国枝から学んでほしいことについて、「やっぱり『挑戦』でしょう。やっていないことをやる、車いすテニスという新しいジャンルを確立したというのは、新しい産業を作ったのと同じだと思う。それが国枝選手の力と、色んな人の理解でできたというこの事実。うちの社員の人にはもっと挑戦して、実行して、達成するという今年のわが社のモットーなんですけど、それを学んでもらいたい」と回答。今後はどのようなチャレンジで私たちを魅せてくれるのか、国枝の挑戦から目が離せない。

◆【後編】国枝慎吾現役引退、そして国民栄誉賞へ 「俺は最強だ!」伝説ができるまで…

◆「俺は最強だ!」王者・国枝慎吾がユニクロ本社で現役引退会見 「最高のテニス人生を送れた」

◆国枝慎吾、車いすテニス初の生涯ゴールデンスラム達成の影にロジャー・フェデラーのひと言

文●SPREAD編集部

《SPREAD》
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