【X Games】日本のエース堀米雄斗と白井空良の強さの源にある関係性 表彰台独占の裏に見るパイオニア中村貴咲の功績 前編 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【X Games】日本のエース堀米雄斗と白井空良の強さの源にある関係性 表彰台独占の裏に見るパイオニア中村貴咲の功績 前編

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【X Games】日本のエース堀米雄斗と白井空良の強さの源にある関係性 表彰台独占の裏に見るパイオニア中村貴咲の功績 前編
  • 【X Games】日本のエース堀米雄斗と白井空良の強さの源にある関係性 表彰台独占の裏に見るパイオニア中村貴咲の功績 前編

4月22日からZOZOマリンスタジアムで3日間に渡って行われた、日本初開催となるエクストリームスポーツの祭典「X Games Chiba 2022 Presented by YogiboXゲームズ)」が幕を閉じた。

終わってみればスケートボード競技で日本人スケーター達が大活躍を見せると共に、東京五輪の余韻が再燃したかのような盛り上がりを見せ、その雄姿をテレビなどのメディアで目にした人も多かっただろう。

私が取材したスケートボード競技の結果は…金メダルが2個、銀メダルが4個、銅メダルが2個と、数字だけ見るととてつもない数となる。

そこで今回、世界的な大舞台X Gamesで活躍した日本人スケーター達の源に迫ってみた。

◆【後編】日本のエース堀米雄斗と白井空良の強さの源にある関係性 表彰台独占の裏に見るパイオニア中村貴咲の功績

■X Gamesとは……1回のイベントで20万人以上が来場

1995年から開催されているX Games 撮影:小嶋勝美

X Gamesの始まりは1995年。エクストリームスポーツの本場アメリカで以降、毎年開催され、世界192ヵ国、5億世帯超の放送網を持つアメリカのスポーツ専門チャンネルESPNで放送される。

出場する選手も世界中から厳選された、トップアスリートのみが参戦出来る世界最高峰のイベント(夏季はスケートボード・BMX・Moto X 冬季はスキー・スノーボードが行われている)となっており、2004年のロサンゼルス大会では1日の入場者数が7万9380人にも及び、1999年のサンフランシスコ大会では合計来場者数22万2886人を記録した。これは1日の来場者数、1回のイベントでの来場者数ではX Games史上最多の記録となっている。

主催者の発表によると、今回の千葉大会では3日間で約4万人の観客を集めたとの事。これが、現在のコロナ禍において多いか少ないかは判断が分かれる所だが、はじめは私もどのくらいお客さんが入るのかまったく予想がつかなかったが、3日間の取材を通して、結果的にはかなり盛り上がったのではないかと感じた。

数年前なら日本でスケートボードの国際大会、ましてやX Gamesが開催されるなんて誰が予想出来ただろうか。街の厄介者というイメージだったスケートボードが、オリンピック効果でがらりとイメージを変え、時代も変化した。

今回のX Games Chiba大会はスケートボードなど、アーバンスポーツに対する日本でのイメージが変わった事の象徴ともいえる大会だったのではないだろうかと思う。

■パーク種目のパイオニア中村貴咲の存在

決勝を5位で終えた中村貴咲 撮影:小嶋勝美

パーク女子で日本人が表彰台を独占! この素晴らしいニュースの裏で1人紹介したいスケーターがいる。中村貴咲(21歳)今大会でも素晴らしい滑りを見せた彼女は、見事決勝を5位で終えている。

素晴らしい滑りを披露したパイオニア中村貴咲 撮影:小嶋勝美

X Gamesスケートボード競技で日本人が初めて優勝したのが2016年6月。テキサス州オースティンで行われた大会で当時16歳だった中村貴咲が、パーク種目で日本人初優勝。スケートボード競技で日本人が優勝するまでに20年以上かかった。

当時はスケートボード競技に日本人が出場するという事だけでも大きな出来事だったが、この優勝をきっかけに“日本人でもチャンスがあれば勝つ事が出来る”という事実を彼女が証明した。そう、彼女が今の日本パーク女子大国の礎を作ったとしても過言ではない。

■X Gamesを見れば日本人スケーターの強さがわかる

ハイレベルな滑りを見せ表彰台を独占した女子 撮影:小嶋勝美

中村貴咲が優勝した翌年の2017年7月のミネアポリス大会では西村碧莉が優勝(当時15歳)し、ストリート種目では日本人初の快挙。同じくミネアポリス大会で芝田モトが優勝し、バート種目で日本人初の快挙を成し遂げている。

他にも東京五輪金メダリストの堀米雄斗が2017年5月に世界最高峰のストリートリーグで日本人初の表彰台となる3位に輝くなど、2016年から2017年頃にかけて日本人スケーターの強さが世界のコンテストシーンで明確に証明された年だという事がわかる。

■日本のエース堀米・白井はかつてのファミリー

堀米雄斗が決勝1本目のランを終え、すれ違いざまに白井空良がハンドシェイクでナイスランを称える  撮影:小嶋勝美

2人が今のような世界的に認められたスケートブランド(堀米はApril Skateboards、白井はBlind Skateboards)のライダーになる前の話し。彼らはかつて、日本のスケートボードブランドTUFLEGのライダーであった。TUFLEGを主宰している立本和樹さんによると、白井は小学2年から中学2年まで、堀米は小学5年頃から中学を卒業する頃までTUFLEGに在籍していた。

スケートボードのチームというのはチームメートというより、ファミリーと呼んだ方が一般の人には伝わりやすいかもしれない。TUFLEGでのスケートボード撮影やツアーなどで苦楽を共にし、お互い切磋琢磨してきた環境が彼ら2人の関係性の源となっている。

>>>後編へ続く

◆【後編】日本のエース堀米雄斗と白井空良の強さの源にある関係性 表彰台独占の裏に見るパイオニア中村貴咲の功績

◆日本初開催、雨の激闘を制した堀米雄斗 一問一答「応援が力になった」

◆男子スケートボード・ストリートは日本勢が表彰台を独占 堀米雄斗が金メダル

■著者プロフィール

小嶋勝美●スケートボードライター

放送作家で元芸人のスケーター。スケートボード歴は一応20年以上。

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