【WBC取材記】イスラエル代表選手が夢を語る…「イチローと対戦したい想いは強い」 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【WBC取材記】イスラエル代表選手が夢を語る…「イチローと対戦したい想いは強い」

スポーツ 選手
イスラエル代表選手の声(2017年3月15日)
  • イスラエル代表選手の声(2017年3月15日)
  • イスラエル代表選手の声(2017年3月15日)
  • イチローとの対戦を熱望 イスラエル代表のアレックス・カッツ投手(2017年3月15日)
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3月6日より開催されている「ワールド・ベースボール・クラシック」(WBC)。野球日本代表・侍ジャパンは第1次ラウンドから第2次ラウンドを通じて6戦全勝とし、WBCに対する日本国民の視線はますます熱を帯びている。

今大会も各地で熱戦が繰り広げられているが、中でも特筆すべきはWBC初出場ながらも強豪の韓国やオランダを破るなど、1次ラウンド及び2次ラウンドを通じて怒涛の4連勝を挙げ、旋風を巻き起こしたイスラエル代表ではないだろうか。

3月15日に東京ドームで行われた2次ラウンドE組・日本代表戦の直前、試合前の練習を終えたばかりのイスラエル代表選手に日本の野球や日本人選手について話を聞いた。



■東京ドームは子供の頃からの憧れだった

1次ラウンドを勝ち抜き、2次ラウンドで東京ドームへとやってきたイスラエル代表選手たち。日本の野球環境についての質問を向けられると、レイクマン投手コーチ補佐は「野球に関わる者であれば、東京ドームは誰しもが知っている球場。子供の頃から憧れていましたし、ここに来ることができて素晴らしい気持ちですし、非常に嬉しいです」と東京ドームのグラウンドを踏みしめた感想を述べた。

レイクマン投手コーチ補佐

また、日本は世界と戦う上でのキーワードのひとつとして、走塁や犠打、ヒットエンドランなどを駆使した「スモールベースボール」を掲げたりもしているが、イスラエルの野球を例えるのであれば、どのようなものになるか聞いてみた。

これに対してシュロモ・リぺツ投手は、「正直なところ、(イスラエルでは)選択肢として野球はほぼ最後に選ばれるスポーツなので…。イスラエルの野球を示す特長というものは現在ではないと思います」と語る。

続けて「でも、こういった大会を通じて、『やっぱり野球の方がいいかな』という人が増えていき、(チームメイトを指でさしながら)例えば彼みたいに背が高かったり体が大きい人が集まってくることで、やっぱりイスラエルの選手は大きいよねとか、そういう特長がこれからついてくるかもしれないですね」と代表チームの展望に言及した。

■イチローは偉大…彼とすごく対戦したい

こう語ったのは22歳の若手、アレックス・カッツ投手。今大会でイスラエル代表に選出され、「夢がかなった」と笑顔で話す。

それでも、勝負事の話になれば冷静かつ熱い眼差しを向ける。イスラエルは1次ラウンドから2次ラウンドのキューバ戦にかけて4連勝した後、オランダにコールド負けを喫している。チームのモチベーション、雰囲気はどうかと尋ねると、「そこで一喜一憂することは、まずないです」ときっぱり。「勝ったからといって、負けたからといって、浮足立つことも落ち込むこともない。とにかく1試合ずつ1球ずつ、すべてをしっかりとやっていくということが、我々の仕事だと思っています」

アレックス・カッツ投手

リぺツ投手やレイクマン投手コーチ補佐からも「1試合ずつ1球ずつ」「とにかく集中して」という言葉は開口一番に出てくる。選手一人ひとりのマインドが統率されていることがよくわかる。1次ラウンドの初戦で強豪の韓国を破り、その勢いに乗ってオランダ、台湾、2次ラウンド初戦ではキューバと次々に撃破。表だった勢いに目がいきがちだが、イスラエル代表選手らの言葉や振るまいの一つひとつから伝わってくる冷静さが印象的だった。

カッツ投手は日本で対戦したい選手を問われると、迷わずに「イチロー」と答える。「イチローは日本だけでなく、アメリカでもすごく有名で偉大。だから彼と対戦したいという想いはすごくあります」と目をキラキラさせながら話していた。

残念ながら今大会にイチロー(マイアミ・マーリンズ)は参加していないが、今回の日本代表との対戦はカッツ投手にとって貴重な経験となったはずだ。カッツ投手は1死満塁で青木宣親外野手(アストロズ)を打席に迎えたところで4番手としてマウンドに上がっている。青木には死球を与えてしまうが、次の打者の筒香嘉智外野手(DeNA)からは空振り三振を奪った。

イスラエルでは、まだまだ野球人口は少なく、マイナースポーツとして位置づけされている。しかし、そのような状況下で見せた今回の快進撃は、少なからずイスラエルの野球熱を高めるきっかけになるはずだ。イスラエルにおける今後の野球の発展、国際大会での動向に注目していきたい。
《浜田哲男》

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